トヨタ「ランクル300」ダカールラリー市販車部門デビューウィン&チーム10連覇達成! 世界一過酷なラリーに挑んだタイヤとは【PR】

TOYO TIRES「オープンカントリーM/T-R」が過酷なレースを支えた

 そのランクル300の足元を、マシンに合わせて改良されたTOYO TIRESの「オープンカントリーM/T-R」がしっかりと支えました。

ダカールラリーの難しさは刻々と変わる路面にある。タイヤは砂丘やガレ場、グラベルなどあらゆる路面に対応しなければならない

「とくにエンプティクォーターの砂丘で、大いに助けられました。前哨戦、そしてテストの場となった『モロッコラリー』で、空気圧を100kPaくらいまで落とすことは想定していました。しかし、エンプティクォーターの砂にはそれでも歯が立たなく、最終的に50kPaくらいまで落とすことになったんです。

 この空気圧のレベルはほとんどパンクしているのと同じで、何回かはリム落ち(タイヤのリムがホイールから外れてしまうこと)を覚悟していました。ところが246号車は一度もリム落ちすることなく、それどころかそのパンクしたようなタイヤで硬い路面も含め1ステージを走りきることができたんです。これは驚きでした。

 また改良によりタイヤが軽くなったことで、砂丘を上るような場面での加速力が一段と力強くなったと思います」(三浦選手)

TOYO TIRES 技術開発本部OEタイヤ開発部の松原圭佑さん。スタッフとしてチームに帯同した
1月7日のステージ7、マラソンステージ初日を終えサービスパークで点検整備を受ける246号車

 タイヤを供給したTOYO TIRESの、技術開発本部OEタイヤ開発部の松原圭佑さんは、ランクル300と「オープンカントリーM/T-R」の戦いを、次のように語ります。

「前半はパンクも多く、またコース変更などダカールラリーならではのことも多々ありました。ただそうした困難をチーム一丸となって乗り越えていくことで、ゴールしたときの達成感は格別なものがありました。

 オープンカントリーM/T-Rとランクル300とのマッチングについては、砂漠での走破性はランクル200に比べより高くなっており、狙い通りでした。ただ耐久性については、まだランクル300に完全にマッチしているとは言いがたく、次のダカールラリー2024に向けてまだ改良が必要だと考えています」(松原氏)

TOYO TIRES「オープンカントリーM/T-R」ダカール2023スペック

 では次回、「ダカールラリー2024」に向けては、どのような取り組みを進めていくのでしょうか。三浦選手と角谷監督は次のように話します。

「今回の参戦では、ランクル300とタイヤ双方の進化を感じていたので、『部門優勝だけじゃなく、総合上位も狙っていきたい』って気持ちが正直あったんです。その夢が第1ステージのトラブルではかなくも打ち砕かれたわけですが、僕は『これでこそダカール』だと思っています。

 クルマもタイヤも進化した、しかしそれ以上にダカールのコースは進化し、挑戦を受け止めたというわけです。『まだまだやりがいがあるな』と感じています。さらに、トラブルを克服して完走したことで『どこへでも行けて生きて帰ってこられる』というランクルの不変のテーマを証明できたと思っています。

 タイヤの耐久性については、マシンがランクル200からランクル300にチェンジし、ある意味“クルマの性能が良くなりすぎたこと”に起因するものがあると思っています。このあたりについては、クルマ、そしてオープンカントリーM/T-Rとも、改良の方向性はほぼ定まってきています。2024年のダカールに向けてだけではなく、さらにその先を見て前進していきたいと思っています」(三浦選手)

「ランクル300はまだ発展途上です。三浦選手の話にあったように、改良の方向性はある程度見えていますが、具体的にどうするかはこれからです。チームとしては、今回は安全を重視してデイリタイア(ステージ途中で競技を打ち切り、翌日のステージで再スタートすること)も使ったんですが、次回はきちんと完走した上での部門優勝を三浦選手で、と考えています」(角谷監督)

見事にダカールラリー市販車部門10連覇を達成したTLC。246号車三浦 昂/ローラン・リシトロイシター組と250号車ロナルド・バソ/ジャン・ミッシェル・ポラト組

 TLCはもう、ダカールラリー2024に向けてスタートしています。次回はチーム11連覇、そして総合上位への入賞も期待したいところです。

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