氷上性能20%アップ! ブリヂストンの新スタッドレス「ブリザックVRX3」の進化の理由を開発者に聞いた【PR】

氷上ブレーキ性能はもちろん、すべての性能を高水準にするのがブリヂストンの開発ポリシー

 日本の冬道は世界でも過酷な路面状況のひとつ、と言われますが、そんな中でも地域ごとに雪のコンディションが異なります。どんな場所で開発されているのでしょうか。

株式会社ブリヂストン タイヤ開発第3部門 PSタイヤモジュール設計第2部の佐藤奈那子さん。トレッドパタンも含めたタイヤ全体の設計を担当

「北海道・士別市に弊社の冬タイヤの実車試験施設、ブリヂストン北海道プルービンググラウンドがあり、おもにそこでスタッドレスタイヤの開発をおこなっています。それ以外にも、東北などやや水分が多い雪が降る地域でも実際に走って、市場で発生する路面を調査しています。またテストコースでも、日々の気温の上下、さらに整備の入れ方で、日本の冬道で考えうるさまざまな路面状況をできるだけ再現し、走行テスト、ブレーキテストをおこなっています」(佐藤さん)

 その北海道をはじめ、近年は全国的に温暖化が進み、雪が少なくなっています。またインフラ整備も進み、高速道路ではドライ路面が多くなったり、日中では雪が溶けてウエット路面だったりと、ひとことで冬道といってもさまざまな路面が存在しています。そうした状況に、スタッドレスタイヤはどう対応していくのでしょうか。

株式会社ブリヂストン 製品企画部門 PSタイヤ製品企画第1課の渡部亮一さん。ブリザックVRX3全体をまとめた

「ブリザックは、全方位での性能向上に加え、その時代に求められる性能の実現を重視しています。たとえば発泡ゴムが登場した1988年当時、ミラーバーンによるスリップは特に問題になっていませんでした。なぜならスパイクタイヤやチェーンを装着したクルマが走ることで路面の氷は削られ、適度な凹凸があったからです。

 ところがスタッドレスタイヤが普及するにつれ、つるつるに磨かれたミラーバーンが問題になってきました。そのミラーバーン対応を目指したのが1994年に発売した『ブリザックMZ-01』です。昨今は温暖化に加え、道路の除雪体制も進んだことから、よりドライ路面を走ることを重視し、摩耗も含め求められる性能の実現に努めています。

 ただそうはいっても、日本の半分を占める降雪地域では、除雪された大通りから一歩路地に入ると、完全な雪道ということは珍しくありません。その上でも、アイス&スノー性能をおろそかにすることはできないのです。さらに付け加えさせていただくと、近年はABS、TCSなどの安全運転支援デバイスが一般化していますが、こうしたデバイスはタイヤの性能を尖らせる、つまりグリップの限界は高いけどそこを超えると急に滑るといった性格にしてしまうと、働きの幅が狭くなりがちです。そこでブリザックはそうしたデバイスが適切に働き、ドライバーが不安なく運転できるような性格のタイヤとしています」(渡部さん)

VW「ポロ」に装着したブリヂストンの新乗用車用スタッドレスタイヤ、ブリザックVRX3

 そうした進化を続けて、今回のブリザックVRX3は全方位の性能を向上させた上で、氷上ブレーキ性能20%の向上(※)を実現したというわけですね。

「はい。そして氷上ブレーキ性能だけではなく、ライフ、効き持ちなどブリザックのポリシーである『全方位での性能向上』も実現しています。そしてその実現には、今回一新したトレッドパタンも大きく貢献しています」(渡部さん)
 
 タイヤというのはバランスの製品です。たとえばアイス性能を向上させるためにゴムを柔らかくすれば、ドライ路面で腰砕けになってしまう、とか、ゴムが柔らかすぎてすぐ摩耗してしまい、ライフ性能が落ちてしまう、ということもあります。

ブリヂストンの新乗用車用スタッドレスタイヤ、ブリザックVRX3のトレッドパタン
ブリザックVRX3に採用された「新気泡形状フレキシブル発泡ゴム」

 技術開発がここまで進んでくると、ユーザーがもっとも求める氷上ブレーキ性能の向上を達成するには、何らかの性能を落とすというアプローチも考えられます。

 にもかかわらず、ブリザックVRX3の技術資料を見ると、氷上ブレーキ性能20%向上(※)だけでなく、ライフや効き持ち性能、スノーやドライ/ウエット性能、そして静粛性や転がり抵抗など、あらゆる性能が高い水準のまま保たれています。新製品の開発において、目標としたものを聞いてみました。

「大前提となるのは『全方位の性能向上』です。新製品を開発するにあたっては、従来品に比べ『もっとアイス性能を上げたい』とか『ライフを伸ばしてほしい』など、さまざまな要望が出てきます。そうした要望に対し『今回はここには目をつぶってこっちを伸ばせばいい』というスタンスであれば、じつは簡単です。アイスに効く、摩耗に効くといった技術を持ってきて、従来品と組み合わせればいいからです。

 しかし私たちはそうした妥協はせず、ドライやウエット性能、静粛性など、タイヤに求められるすべての性能を伸ばすという姿勢で開発に取り組んでいます。これはブリヂストンのタイヤ開発におけるポリシーです」(渡部さん)

ブリヂストンの新乗用車用スタッドレスタイヤ、ブリザックVRX3の開発を担当した3名。左から井久田明史さん、渡部亮一さん、佐藤奈那子さん

 現行モデルに対して氷上ブレーキ性能で約10%向上、がスタッドレスタイヤ新商品の通常進化でしたが、今回のブリザックVRX3は20%向上(※)。つまり、2世代分の進化を果たしたといえるものです。そこには、絶え間ない研究開発があります。

 タイヤは、ただの「黒くて円いゴム」と思っている人が多いかもしれません。一見、どれも同じように見えてしまいますが、このように多くの人が関わり、開発者の思いが込められている工業製品なのです。安心・安全のウインタードライブのために、スタッドレスタイヤは日々進化を続けています。

 じつはブリザックVRX3の進化はそれだけでなく、摩耗ライフが先代よりも17%向上(※)したこともトピックです。

 次回はそのロングライフ性能や効き持ち性能について、開発者に聞いていきたいと思います。(後編)ロングライフ性能についてはこちら

(文中の※)試験条件の詳細はブリヂストンHPをご覧ください

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ブリザックVRX3を写真で詳しくチェック!

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