ダイハツ斬新「“観音開き”軽ワゴン」が凄い! 「タント超え」の“背高すぎボディ”&収納たっぷりな「ひろーい車内空間」が魅力! メーカー初「画期的パーツ」も採用の「デカデカ」とは?
ダイハツは「東京オートサロン2026」への出展概要を発表しました。個性的なカスタマイズカーが並ぶ中、過去のモデルにも注目が集まっています。そのなかで本記事では2013年に公開されたコンセプトカー「デカデカ」を振り返ります。
圧倒的な室内空間と利便性を追求した1台
ダイハツは2025年12月16日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で2026年1月に開催予定の「東京オートサロン2026」における出展概要を公表しました。
「ハイゼットトラック」をベースとした「ダイハツ・メイ」など、独創的なカスタマイズカーが並ぶ中、ファンの間では同社が過去に発表した革新的なコンセプトカーへの関心が再び高まっています。

そのなかで今回は、2013年の「第43回東京モーターショー」で世界初公開された「DECA DECA(デカデカ)」を紹介します。
デカデカは、軽自動車として最大級の室内空間「ウルトラスペース」を提唱しました。その最大の特徴は、圧倒的なパッケージングにあります。
全高1850mm、室内高は当時の軽自動車ナンバー1となる1455mmを実現しました。この数値の際立ち方は、ダイハツの主力モデルである「タント」と比較すると明確です。
ちなみにタントの全高1755mm(4WDモデルは1775mm)に対し、デカデカは95mm高い設定となっています。
さらに、軽自動車規格いっぱいとなる全長3395mm×全幅1475mmのボディサイズを最大限に活用し、限られた寸法の中で圧倒的な室内空間を実現。
大人が車内で窮屈さを感じることなく着替えを行えるなど、レジャーユースにおける利便性を極限まで高めました。
一方で、全高の増加に伴う重心上昇に対しては、高度なエンジニアリングが投入されています。
ルーフパネルなどの板厚最適化や外板の樹脂化により、重心より上部に位置する部品の軽量化を実施しました。
その結果、タントと比べて全高が80mm高いにもかかわらず、重心高の上昇は最小限に抑えられています。
足回りには、フロントアブソーバーロッドおよびリアアブソーバーのサイズアップによる高剛性化を実施。
さらに、ウレタン製バンプスプリングの採用やスタビライザーの標準装備により、コーナリング時のロールを抑制しています。
空力性能への配慮も抜かりありません。ダイハツ車として初めて「空力フィン」を採用し、空気の流れを制御することで直進安定性を向上させました。
これらの技術により、高さを感じさせない安定した走行性能と、「ファン&リラックス・ドライブ・コンセプト」を確立しています。
ドライバーの視認性にも配慮されており、座った瞬間に実感できる見晴らしの良さ「ファインビジョン」を採用。アイポイントは1387mmに設定され、遠方まで見渡せる運転のしやすさを実現しました。
また、ドアには前後2枚を同時に開閉できる観音開きを採用したことや地上からドア開口部上端までを1700mmとした設計により、広い開口部によって乗り降りや荷物の積み下ろしを容易にしています。
この室内空間「ウルトラスペース」を支えているのが、卓越した荷室性能「ミラクルラゲージ」です。約90リットルの容量を持つラゲージアンダートランクには、350ml缶24本入りのビールケースを2箱収納することができます。
高い室内高と組み合わせることで、ベビーカーを折り畳まずに縦置きすることも可能です。
さらに、リアシート背面にはスライドレバーを配置し、荷室側からの操作性を確保。シート表皮には撥水加工を施したフルファブリック素材を採用し、背面には塩化ビニール加工を施すことで、泥や水濡れにも対応する実用的なレジャー仕様としています。
インパネ周りの収納も充実しており、助手席前には一眼レフカメラやタブレット端末を収納可能な容量6.6リットルの大型インパネトレイを配置するなど、大小さまざまな「ポケッテリア」を採用しました。
そんなデカデカは、2009年のコンセプト提示、2013年の仕様洗練を経て、2014年11月に「ウェイク」として市販化されました。
※ ※ ※
東京オートサロン2026の出展車に息づく、ダイハツらしい遊び心と空間効率への徹底したこだわりは、まさにデカデカが切り拓いた道の延長線上にあります。
軽自動車の可能性を大きく広げた“超空間”への挑戦は、今なおダイハツのクルマづくりの根底に流れ続けています。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。






























