「10秒に1件」トラブルに? 年末年始に急増する「愛車の悲鳴」 1位は定番の内容だった? JAFが注意呼びかけ

JAFは、昨年末年始のロードサービス出動件数が8万件を超え、約10秒に1件の割合だったと発表しました。最多トラブルは「バッテリー上がり」です。また、雪道でのノーマルタイヤ走行は制動距離が大きく伸びるとして警鐘を鳴らしています。年末年始の移動前に確認しておきたい、トラブル回避のポイントを紹介します。

もっとも多かったトラブルの原因とは

 年末年始は帰省や旅行でクルマを利用する機会が増えますが、同時にトラブルも急増する時期です。

 JAFの発表によると、昨シーズンの年末年始期間中の出動件数は8万件を超え、実に「約10秒に1件」のペースで救援要請が入っていたことが判明しました。

 もっとも多かったトラブルの原因とは何だったのでしょうか。

もっとも多かったトラブルの原因とは(画像はイメージ/PhotoAC」
もっとも多かったトラブルの原因とは(画像はイメージ/PhotoAC」

 いよいよ年末年始の大型連休が近づいてきました。久しぶりの帰省や家族旅行など、愛車で遠出を計画している人も多いのではないでしょうか。

 しかし、この時期は寒さや渋滞など、クルマにとって過酷な環境が重なるタイミングでもあります。

 日本自動車連盟(JAF)が発表した昨年のデータから、この時期に特有のトラブル傾向と、私たちが注意すべきポイントが見えてきました。

 楽しいはずの連休が一転、ロードサービスのお世話になる事態は避けたいものです。

 2024年12月28日から2025年1月6日までの昨年末年始期間において、JAFが出動した件数は合計で8万2747件にものぼります。これを期間中の時間で換算すると、なんと「約10秒に1件」という驚異的なハイペースで全国各地に出動していた計算になります。

 では、具体的にどのようなトラブルが多かったのでしょうか。もっとも多かった出動理由は「過放電バッテリー」、いわゆる「バッテリー上がり」でした。

 年末年始は気温の低下によりバッテリーの性能が落ちやすいことに加え、渋滞でのノロノロ運転や、普段あまり乗らないクルマを急に長距離走らせるといった要因も重なりがちです。

 出先でエンジンがかからないという事態を防ぐためにも、出発前の事前点検がいかに重要であるかが浮き彫りとなりました。

■「走れても止まれない」恐怖

 バッテリー上がりと並んで警戒が必要なのが、冬道でのスリップ事故です。特に普段雪の降らない地域から移動する場合、「ノーマルタイヤのままでも少しくらいなら大丈夫だろう」という油断が命取りになりかねません。

 JAFが行った制動距離(ブレーキをかけてから停止するまでの距離)の比較実験では、ノーマルタイヤの危険性が如実に示されています。

 雪が踏み固められた「圧雪路」において、ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤと比較して、制動距離が約1.7倍も長くなるという結果が出ました。

 さらに、路面が凍結した「氷盤路」においては、チェーンを装着した状態と比べて約1.8倍も止まるまでに距離を要しています。

 この結果からも分かる通り、雪道においてノーマルタイヤは「走ることはできても、安全に止まることはできない」のです。冬の路面状況は刻一刻と変化します。

 ノーマルタイヤでの雪道走行は極めて危険であるため、スタッドレスタイヤやチェーンの装着は必須と言えるでしょう。

■出発前の備えが鍵

 年末年始のドライブを安全に楽しむためには、ドライバー自身の「事前の準備」と「慎重な判断」がカギを握ります。

 JAFも呼びかけているように、出発前には必ず最新の気象情報を確認することが大切です。

 もし大雪が予想される場合には、不要不急の外出を控えるという勇気ある決断も、トラブル回避の有効な手段となります。

 バッテリーなどの日常点検を済ませ、タイヤの雪道対策を万全にしたうえで、ゆとりを持ったスケジュールで年末年始のドライブを楽しんでください。

「ええぇぇ…」 これがノーマルタイヤでスタックした「大型トレーラー」です!

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Writer: くるまのニュース編集部

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