キアヌ・リーブスも注目!? 世界最大級のバイクレース「鈴鹿8耐」とは
日本最大級のバイクレースであり、世界でも屈指の人気と来場者数を誇る「鈴鹿8耐」。これほどまでに人気を博している理由はどこにあるのでしょうか。
41回目を迎える、「鈴鹿8時間耐久ロードレース」
いつの時代もレースには、心が沸き立つものです。サーキットでおこなうレースには、大きく分けて「スプリント(短距離)」と「エンデュランス(耐久)」の2つがあり、前者は1人のライダー(ドライバー)が比較的短い時間の中でサーキットを何周できるかどうかを競い、後者は複数人のライダー(ドライバー)で長い時間の周回数を競います。
自動車スプリントレースの最高峰は「F1グランプリ」であり、耐久レースの場合は「ル・マン24時間耐久レース」に代表されるWEC(FIA 世界耐久選手権)があります。
バイクの場合、スプリントレースの最高峰は「MotoGP」ですが、耐久レースの方はあまり馴染みがないかもしれません。バイクレースの世界には、FIM世界耐久選手権(EWC)と呼ばれるレースシリーズがありますが、「MotoGP」ほど知名度が高くないのが現状です。
そんな、EWCの最終戦に、日本で行われているあるレースが組み込まれました。それが今年41回目を迎える、「鈴鹿8時間耐久ロードレース(通称:鈴鹿8耐)」です。
元々、鈴鹿サーキットが主催するレースとして独自に行われていた「鈴鹿8耐」ですが、1980年代中頃より一世を風靡し、最盛期には36万8500人もの観客動員を記録しました。
7月末の週末に開催されるということも手伝って、1984年より冠スポンサーを務めるコカ・コーラの製品が、『世界でもっと売れた場所となった』という逸話も残っているほどです。
さらには、2015年にはハリウッドスターのキアヌ・リーブスが訪れました。表向きは、自身がプロデュースするバイクのプロモーションとしての来場でしたが、キアヌ自身が来場を強く望んだといわれています。
そんな「鈴鹿8耐」とはどんなレースで、なぜの多くのファンを魅了させるのでしょうか。
バイク大国日本、メーカーの威信をかけた戦い!
鈴鹿8耐に詳しいジャーナリストは、次のように話します。
「鈴鹿8耐は、鈴鹿サーキットを基本的に3人のライダーが交代で8時間にわたって走行します。8時間終了時点でもっと多く走ったチームを優勝とするものです。その周回数は、210周以上にもおよび、最高時速は300km/h近くを記録します。参戦するチームは、『ワークス』と呼ばれるバイクメーカー直系のチームと、『プライベーター』と呼ばれるバイクメーカー以外の企業や個人にわかれます」
「日本は、ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキといった世界を代表するバイクメーカーが揃っているバイク大国です。世界が注目する『鈴鹿8耐』の成績は、バイクの売上にも直結するため、各メーカーもその威信をかけて臨みます。また、世界トップクラスの走りが見られるのは大きな魅力です。一方、圧倒的な資金力と技術力をもつメーカー直系のワークスチームに対して、プライベーターチームも負けてはいません。こうした『ワークス対プライベーター』の戦いも鈴鹿8耐の魅力のひとつです」
「参戦チームで優位なのは、ワークスチームですが、一瞬のミスで転倒、リタイアしてしまうというバイクレースで、なおかつ8時間もの時間を駆け抜けるのですから、勝負は最後までわかりません。実際、海外から迎え入れた超一線級のライダーが、走行開始後すぐに転倒してしまって、そのままリタイアしたという事例もあります。何が起こるのかわからないのが鈴鹿8耐をさらに盛り上げる要因といえます」
ジャーナリストが話すように、バイクで8時間走りつづけるという行為には、人々を魅了するものがあるようです。