なぜ新型Cクラスと日本の歌舞伎? メルセデス・ベンツに見た意外な共通点とは
メルセデス・ベンツの新型「Cクラス」が発表されました。発表会では、歌舞伎役者の尾上右近氏が歌舞伎演目「石橋」を披露。日本の伝統芸能と融合した発表会はどんな経緯でおこなわれたのでしょうか。
新型「Cクラス」と「歌舞伎」に通じるものとは
現行のメルセデス・ベンツ「Cクラス」が登場してから4年。大幅に改良が施された新型「Cクラス」が2018年7月25日に日本デビューとなり、東京の新橋演舞場で発表会が行われました。
新橋演舞場で初となる新車発表会は、メディア関係者に加えて、抽選に当選した一般の歌舞伎ファンが見守る中、午前10時半に開幕しました。
まず、歌舞伎役者の尾上右近氏が、この日のためにアレンジした歌舞伎舞踏の『石橋』を舞い、演技の途中で一瞬ポーズをつくって静止する動作「見得(みえ)」を切ると舞台が暗転したまま回転し、新型Cクラスが現れるという形で発表会が始まります。
日本が誇る伝統芸能でありながら、常に新しいものを追求し続ける歌舞伎と、132年前から自動車を作り続けているメルセデス・ベンツの最新モデルに共通する「伝統と革新」を印象づける演出となりました。
続いて、チーフエンジニアのクリスティアン・フリュー氏が登場し、新型「Cクラス」に関する説明が行われました。
フリュー氏は、「Never Stop Improving(改善を止めることはない)」というキャッチフレーズの元に、広範囲にわたる改良が施しました。今回、クルマを構成する全部品点数の半数以上となる、6500点にも及ぶパーツに改良が加え、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの全てが、内外装からパワートレイン、シャシ、さらには運転支援システムなど広範囲にわたりアップデートしています」と述べました。
進化した走行性能と「Sクラス」と同等の安全性能
細部にわたるフリュー氏の説明でとくに力が入っていたのはパワートレインです。新型「Cクラス」の中心モデル「C200」のエンジンが、従来の2リッターから新開発の1.5リッターエンジンに変更されました。
これは、ダウンサイジングではなくさらなる進化だといいます。最高出力184PS、最大トルク28.6kgmを発生させるこのエンジンは、タービン回転の立ち上がりが早いツインスクロール・ターボチャージャーを採用。
さらに、ベルトを介してスターターとジェネレーターを兼ねるモーターをクランクシャフトに接続する「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」と、高効率な48V電気システムといった新技術により、加速時には最大で出力14PSとトルク16.3kgmを発生させ、エンジンをアシストします。
また、足回りには、車高が15mmローダウンする減衰力連続可変スポーツダンパーとコイルスプリングを組み合わせた、新開発のダイナミックボディコントロールサスペンションを採用。クラス唯一の先進的なエアサスペンションシステムであるエアボディコントロールも用意されています。これらの改良により、新型は「史上最もスポーティなCクラスになった」とフリュー氏は語りました。
運転支援システムについても、カメラやセンサー類の性能向上により、安全性が大幅に高められたほか、自動的に車線と先行車両との距離をキープする『ディストロニック&アクティブステアリングアシスト』を採用。
さらに、ウインカーレバーの操作だけで自動的に車線変更するアクティブレーンチェンジアシストが追加されるなど、「Sクラス」と同等の内容が盛り込まれています。