先週末入れておけば… ガソリンの値段はなぜ日々変化するのか?
大型連休前にガソリンスタンドに並ぶクルマが話題になることがあります。1円でも安くガソリンを買いたいという気持ちは多くの人が共感できるかと思いますが、なぜ日々ガソリンの価格は変化するのでしょうか。
「なぜか1円にこだわる」ガソリン価格
ガソリンを入れるとき、できるだけ安く入れたいと思うのが人情です。ガソリン残量警告ランプが点灯し、焦って最寄りのガソリンスタンドで給油したら、相場よりも高くついた経験をした人も少なくないと思います。
ガソリン価格は、多くの消費者が動向を気にするもののひとつです。給油量を50リットルとしたときに、1円安く給油したとしてもせいぜい50円おトクになる程度なので、安いガソリンスタンドを探して走り回るくらいなら、エコ運転を心掛けるのもコスト削減といえます。
では、なぜガソリン価格がニュースになるほど話題になるのでしょうか。それは、ガソリンが生活必需品であり日常的に購入する必要があること。そして、ガソリンの価格が日々変動することが関わってきます。
ガソリン価格の変動について、ガソリン事情に詳しい専門家は次のように説明してくれました。
「日本国内で販売されているガソリンは、大まかにいえば次のような過程を経て流通しています。まず、日本は産油国ではありませんので、中東などの産油国から原油を購入します。そして日本国内の製油所で原油を精製し、レギュラーガソリンやハイオクガソリン、軽油となります。そこから、各ガソリンスタンドへ配送され、消費者が購入できるようになるのです。
この過程の中には、大手商社や石油元売り企業、各ガソリンスタンドなどさまざまな人や企業が登場し、国内外にわたって取引をしています。もちろん、こうした各登場人物の思惑も価格に影響はしますが、最も大きな要因は産油国の情勢といえます。
現在、世界の産油国の上位はアメリカ、サウジアラビア、ロシアの3カ国です。他には、中東各国やカナダ、中国、ブラジルが主要な産油国となっていますが、残念ながらこれらの国々には政情が安定していないところもあり、産油国同士で睨みあっていたりすることも少なくありません。原油は、あらゆる産業の基礎となるものですから、各産油国もその取扱いには慎重で販売価格も国家の状況によって左右されます。日本は、原油を海外からの購入に頼らなければならないので、どうしても世界情勢に左右されてしまうのです」