ヤマハ「YZF-R1」 20年の進化を振り返る

20年の間、進化を続けるYZF-R1

・1998年 YZF-R1(初代)
750ccでも900ccでも1100ccでもなく、1000ccでコーナリング性能を追求するという独自性によって大きなマーケットを築いたエポックメイキングなマシン。圧倒的な軽さもさることながら、YZR500由来のロングスイングアームを採用するなど、随所にGPマシンのノウハウが盛り込まれていました。最高出力150ps/10000rpm、乾燥重量177kg

2000年 YZF-R1(初代改)

・2000年 YZF-R1(初代改)
エンジンスペックに変更はありませんが、シリンダーヘッドやカムプロファイルを改良することによって出力特性を最適化。また、サイレンサーの主素材にはチタンが採用された他、約250ヶ所ものパーツを見直すことによって2kgの軽量化に成功するなど、涙ぐましい努力が光るモデルです。最高出力150ps/10000rpm、乾燥重量175kg

2002年 YZF-R1(2代目)

・2002年 YZF-R1(2代目)
車体を中心に全面的に設計変更が施された2代目モデル。メインフレームが厚くなり、エンジン懸架部分が増大するなど、剛性のアップが図られました。また、エンジンの燃料供給にはこの年式からインジェクションを採用。操作に違和感がないよう、キャブレターに近いフィーリングが再現されるなど、感覚性能も重視されています。最高出力152ps/10500rpm、乾燥重量174kg

2004年 YZF-R1(3代目)

・2004年 YZF-R1(3代目)
エンジンも車体も同時に刷新された3代目モデル。すでに世界グランプリの最高峰クラスは4ストロークに移行していたため、そこに参戦していたYZR-M1の思想をふんだんに投入。この頃から徐々にレーシングマシン然とした雰囲気が色濃くなっていきました。センターアップスタイルになった2本出しマフラーが外観上の特徴です。最高出力172ps/12500rpm、乾燥重量172kg

2007年 YZF-R1(3代目改)

・2007年 YZF-R1(3代目改)
2006年にスイングアームが延長されたり、SP仕様が追加されるなど、車体のアップデートがさらに進められました。にもかかわらず、ヤマハはその手を緩めることなく、この年式ではエンジン設計を大幅に変更。伝統の5バルブを廃止して4バルブになった他、可変ファンネルやライド・バイ・ワイヤ方式を初採用するなど、電子制御化が一気に進められていきました。最高出力180ps/12500rpm、乾燥重量177kg

2009年 YZF-R1(4代目)

・2009年 YZF-R1(4代目)
YZF-R1を象徴する技術のひとつが90度位相のクランクシャフトを持つクロスプレーン方式ですが、その初採用がこのモデルからです。モトGPマシンのYZR-M1に投入されていた技術がついに市販車へも盛り込まれ、独特な排気音とトラクションの掴みやすさが話題になりました。最高出力182ps/12500rpm、乾燥重量188kg

2015年 YZF-R1/R1M(5代目)

・2015年 YZF-R1/R1M(5代目)
明確に「サーキット最速」をコンセプトに掲げ、ありとあらゆる部分を刷新して登場した5代目モデルがこれです。エンジンやフレームの設計もさることながら、市販車としては初めて6軸のIMU(慣性測定ユニット)を採用。これによってトラクションコントロールやスライドコントロール、ウィリーコントロール、コーナリングABSなどの制御が飛躍的に高まり、モトGPマシンに近いコントロールが可能になったのです。実際、鈴鹿8耐や全日本ロードレースでも連戦連勝を記録。現在、最強最速の名を欲しいままにしているスーパースポーツがこれです。最高出力200ps/13500rpm、乾燥重量非公表(装備重量R1:199kg/R1M:200kg)

 いかがでしょう? この20年の間にパワーは50psも向上し、最新モデルはついに200psへ到達。それを制御する電子デバイスはひと昔前では考えられなかった高度なライディングをもたらしてくれるようになり、その進化は今も留まることを知りません。

 歴代プロジェクトリーダーが語る開発秘話や最新の2018年型YZF-R1/R1Mの詳細は別の機会にお届けするのでお楽しみに!

【了】

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