NEXCOブチギレ「警察に告発しました!」 超悪質「重量“26トン”オーバー車」を検挙! 前代未聞の「法律ガン無視・無許可通行」を排除! 運転手&会社には「高額罰金」も? 愛知

高速道路機構とNEXCO中日本は、東名高速を重大な重量オーバーで走行した運転手と運行会社両者を告発したと発表しました。

NEXCO怒りの「ウルトラ重量オーバー」

 日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)とNEXCO中日本は2025年11月17日、東名高速を重大な重量オーバーで走行した運転手と運行会社両者を告発したと発表しました。

 一体何があったのでしょうか。

2024年に東名を「26t」オーバーして通行した違反車両(画像:NEXCO中日本)。
2024年に東名を「26t」オーバーして通行した違反車両(画像:NEXCO中日本)。

 道路を通行する車両については、道路法第47条および車両制限令において、通行できるクルマの大きさや重量の上限(一般的制限値)を定めています。

 なかでも重量については、総重量は20t(高速自動車国道または指定道路は25t/車両の長さなどで多少異なる)まで、軸重10tまでに厳しく制限されています。

 なぜならば、道路の舗装や橋や高架などの構造物は、設計段階でこの重さを想定しているため、重量オーバー車が通行すれば、想定以上のスピードで劣化を招くためです。

 例えば軸重を基準最大値の10tから2倍超過した状態(20t)で通れば、道路橋に対する疲労は「軸重10t車の4096台分の走行」に相当するという、とてつもない大ダメージを与えます。

 さらに、重量オーバー車はブレーキが効かず、カーブも曲がりづらくなり、スリップ事故や横転・転覆の重大事故に至る可能性もあります。

 事故に至れば重量オーバーした分だけの積荷が散乱し、これを片付けるのに長時間の通行止めを余儀なくされます。周りのクルマにこれらの積荷が当たれば、命に関わることは避けられません。

 ただし、大型資材の運搬や大型のクレーンを現場まで持って行く場合など、どうしても制限を超える場合もあります。

 その場合、「特殊車両(特車)」という扱いになり、走行機会毎に運行経路や道路管理者の許可、車両の詳細を記した説明書などの書類を集めて「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を受け、もしOKサインが出れば特例で通行することができます。

 車両の重さや通行経路によっては、グリーンの誘導灯を装着した誘導車を配置したり、橋などでは一時的に通行車両を規制し、必要以上に重くならないようにする措置が必要になります。

 しかし、一向に無許可の重量オーバー車の違法通行は無くなっていません。

 近年は特に高速道路の建設から年数が経過し、設備や構造物の著しい劣化が問題視されており、こうした重量オーバー車の通行がさらなる追い打ちをかけています。

 それを踏まえ、国土交通省は2014年、悪質な重量オーバー車を厳罰に処する「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を策定しました。

 制限の2倍以上の重量超過をした時点で「告発対象」としています。要するに「一発アウト」ということになりました。

 さて今回、高速道路機構とNEXCOが連名で警察に告発した事案は、2024年11月の東名高速で発生しました。

 違反者(Y事業者/山口県宇部市)は11月13日の18時49分、東名の音羽蒲郡ICを重量オーバーの大型トレーラーで通過しました。

 重量を計測したところ、制限25tに対し「51.15t」という、2倍以上の重量オーバーだったことが発覚。

 NEXCOと高速道路機構は、「極めて悪質な違反であると考えております」と怒りのこもったコメントを掲げています。

 なお告発を受けた場合、道路法第104条に基づき「100万円以下の罰金」が科される可能性があります。運転者とそれを雇っている法人それぞれが、この罰則を受ける両罰規定です。

 NEXCOと高速道路機構は「今後とも関係機関と連携を図り、道路法違反車両に対して厳正に行政措置を行い、安全で円滑な交通の確保に努めてまいります」としています。

※ ※ ※

 NEXCOでは、「車両制限令等違反車両取締隊(車限隊)」を配置してパトロールを行っています。

 違反していると思わしき車両がいれば停車させ、車両総重量や車幅などの計測、特殊車両通行許可証もしくは回答書を確認し、違反していないかを厳しくチェックしています。

 もし、違反が見つかり、程度が軽微な場合は警告に留めますが、重大な場合は措置命令(行政処分)を当該違反車両の運転手に行います。

 措置命令では、ケースによっては「すぐに高速を降りなさい」という退出命令のほか、悪質な違反の場合は車両を安全な場所に留め置き、「今すぐこの場で荷物を減らしなさい」という措置を命じる場合もあります。

 何度も繰り返す悪質な違反者に対しては、文書警告や対面指導、さらには特車通行許可の取り消しや通行の拒否(出禁)、高速の大口割引の停止などが行われます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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