トヨタ新型「カローラ」初公開! ハンマーヘッド顔・ボディ拡大! さらにエンジンもサイズアップ! 中国向け仕様、12月発売へ
トヨタのコンパクトセダン「カローラ」の中国向けマイナーチェンジモデルが発表されました。新型はプリウスやbZ4Xでお馴染みの「ハンマーヘッド」形状のフロントマスクを新たに採用。さらにボディサイズも拡大され、中国専売のロングホイールベース(LWB)モデルを統合する形となります。若者をターゲットとしたデザインで、最新の中国トレンドを取り入れた進化に注目です。
中国向け「カローラ」マイナーチェンジ発表 ハンマーヘッド顔・ボディ拡大
2025年11月19日(現地時間)に中国でトヨタのコンパクトセダン「カローラ」のマイナーチェンジモデルが発表されました。
日本で販売されるモデルとは異なる進化を遂げているようですが、いったいどのようなクルマなのでしょうか。

カローラは1966年より製造・販売しているトヨタの代表的な車種です。
日本市場のみならず世界的にも愛されているモデルで、これまでに全世界150か国以上の国・地域で販売、累計販売台数は2021年に5000万台を達成。
現在販売されている最新モデルは2018年に登場した12代目モデルで、カローラの主力市場であるアメリカと中国にてほぼ同時に発表されました。
日本では現在、基本となるセダンモデル(カローラ)に加え、ハッチバックの「カローラスポーツ」、ステーションワゴンの「カローラツーリング」、SUVの「カローラクロス」、そしてカローラスポーツをベースとするハイパフォーマンスモデルの「GRカローラ」といった派生車種が販売されています。
カローラの人気は中国でも同様で、特に2004年2月からは第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」を通じ、現地での製造も行なわれています。
中国ではカローラのセダンに加えてカローラクロス、そして中国限定のLWB(ロングホイールベース)モデル「アリオン」が販売されています。
また、一汽トヨタとは別の合弁会社「広汽トヨタ」ではそれぞれの姉妹車として、「レビン」「フロントランダー」「レビンGT」をラインナップに揃えています。
そんな中、2025年11月21日からスタートする広州モーターショー2025を前に、先行して中国向けカローラのマイナーチェンジモデルが発表されました。
新型カローラは外装が大幅に刷新され、プリウスやbZ4Xなどでお馴染みの「ハンマーヘッド」形状のフロントマスクを新たに採用しました。
台形だった下部のグリルも縮小されたことにより、グリルレスで未来的な印象を演出、さらに「若者をターゲットとしたデザインにした」と言います。
また、リアはこれまでのテールランプのデザインを踏襲しつつ、新たに両側を繋ぐ一本の装飾を追加して左右一体型テールライトを採用。
ホイールは新たなデザインの17インチ/18インチアルミホイールを用意し、スポーティに足回りを飾ります。
デザインの刷新以外にボディサイズも拡大も特筆すべき点です。
サイズは全長を75 mm、ホイールベースを50 mm拡大し、全長4710 mm × 全幅1780 mm × 全高1435 mm、ホイールベース2750 mmとなりました。
これは中国市場の専売車種として展開されていたカローラのLWBモデルと同じ数値で、今回のマイナーチェンジで通常モデルとLWBモデルを統合した形となります。
インテリアでも最新の中国のトレンドを取り入れるべく、水平基調のフラットなダッシュボードに12.9インチのセンターディスプレイを組み合わせています。
インストルメントパネルも8.8インチのディスプレイに刷新したことでこれまでの古臭い印象を取り除きました。
パワートレインは8ZR-FXE型1.8リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドモデルと、M20A-FKS型2.0リッター直列4気筒エンジンを搭載する純ガソリンモデルの2種類で展開されます。
これまでの純ガソリンモデルは1.2リッターのターボ、もしくは1.5リッターの自然吸気モデルの2種類だったので、実質的にサイズアップした形となります。
中国市場で重視される運転支援機能に関しては全グレードでToyota Pilotを標準装備、車線逸脱補助機能(LDA)やプロアクティブドライブングアシスト(PDA)、ドライバー異常時対応システム(EDSS)も搭載することをアピールしています。

新型カローラは2025年12月に発売を予定しており、同時に発表された中国向けBEV「bZ3」の新モデルと同じタイミングで市場へ投入されます。
価格は明らかとなっていないものの、現行モデルは11.68〜15.68万元(約256.4〜344.2万円)で販売されており、競争力を保つためにこれより安くする可能性があります。
中国の新興ブランドがコンパクトセダンのEVを多数リリースする中、登場して7年経過する現行カローラにビッグマイナーチェンジを施すことで、ハイブリッド/純ガソリン車種であっても中国市場にコミットする姿勢を見せる思惑があることでしょう。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。










