新型「軽ワゴン」“26年度”発売へ! 王者「N-BOX」などを徹底分析し「日本専用」仕立てに!「素晴らしい乗り心地」に“格上モデル超え”の安全装備も魅力! コスパに期待のBYD「ラッコ」って?
BYDは「ジャパンモビリティショー2025」において軽自動車EV「RACCO(ラッコ)」を初公開しました。輸入ブランドとして初めて軽自動車市場に参入し、2026年夏の発売を予定しています。至る部分に日本のユーザーのニーズに応える設計が施された、BYDの新たな挑戦となる1台です。
充実した装備と“快適すぎる”走りに期待!
2025年10月29日(一般公開日は31日)から11月9日まで、東京ビックサイト(江東区有明)で開催の「ジャパンモビリティショー2025」において、BYDは2026年夏に日本市場へ投入予定の軽自動車「RACCO(ラッコ)」を初公開しました。
「輸入ブランドが軽自動車を日本市場で展開する」というのは非常に珍しいことですが、日本専用設計のラッコを導入するという点からも、BYDの日本市場への本気度がうかがえます。

RACCOは2026年夏に発売予定のバッテリー電気自動車(BEV)の軽自動車です。中国メーカーであるBYDにとって、これは初の海外専用モデルであり、日本市場のためだけに開発された車種となります。
全高の高いスーパーハイトワゴンタイプのボディにスライドドアを備え、「日本で売れる軽自動車」の要素をしっかりと取り入れています。
実際に販売が開始されれば、乗用タイプとしてはBEVで初の“スライドドア付きスーパーハイト軽”となる見込みです。
販売価格や航続距離などの詳細はまだ発表されていませんが、バッテリーにはBYDの技術の象徴でもあるリン酸鉄リチウムイオン電池を用いた「ブレードバッテリー」が採用されることが明らかにされています。
コストパフォーマンスに優れたこの電池により、他の軽BEVモデルと比較しても“価格の安さ”を感じられる設定になるのではと期待が高まります。
また、運転支援システムはすでに販売中のコンパクトカー「ドルフィン」と同等以上の性能を備える予定で、外部給電機能(V2L)や家庭への給電が可能なV2H機能も搭載すると発表されています。コストパフォーマンスに優れたモデルとして注目を集める可能性が高いでしょう。
すでに他メディアでも報じられていますが、日産自動車で商品企画を担当し、軽EV「サクラ」などの開発に携わった人物が、このRACCOのプロジェクトを担当しています。
すでに中国で試乗を済ませており、その印象について「素晴らしいと感じました。特に優れているのはコンフォート性能で、きれいなアスファルトから荒れた路面に移っても乗り心地の変化が少ない。ロードノイズや風切り音も少なく、静粛性にも優れています。日本の軽自動車と比較しても、胸を張って快適性に自信があると言えます」とコメントしています。
開発にあたっては、ホンダ「N-BOX」など日本で人気の軽スーパーハイトワゴンを中国本土に持ち込み、徹底的に分析。そこから100台を超える試作車を製作し、今回の発表に至ったとのことです。
デザインは他のBYDモデル同様、海洋生物からインスピレーションを得ていますが、ファミリー層やシニア層といったターゲットを特定せず、「誰もが乗れるプレーンなモデル」を目指したといいます。
そのため、全体的にシンプルで親しみやすいデザインに仕上がっています。今回展示された車両のボディカラーが白であるのも、「誰にでも馴染むプレーンさ」を意識した結果だそうです。
今後はサスペンションを中心に、日本の公道環境に合わせた最終チューニングを実施予定とのことで、その完成度とコストパフォーマンスの高さに大いに期待が持てる一台です。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。












