トヨタ新型「スーパースポーツ」近日発表!? レクサスも同時か!? 開発は「順調に苦しんでます」 ロードカー&GT3現状は? 中嶋副社長が語った

2025年9月28日、FIA 世界耐久選手権(WEC)第7戦が開催された富士スピードウェイで、トヨタの新型GT3マシンの開発状況に関する最新情報が明かされました。

開発は佳境へ…首脳陣が語った「順調に苦しんでる」の現在地

 2025年夏のグッドウッドで世界を驚かせたトヨタの新型GT3マシンの開発に進展です。

 先日、富士スピードウェイで開発首脳陣がその現状に言及し、デビューが「むちゃくちゃ近い将来」であることを示唆しました。

 開発の苦労をにじませつつも、その完成度には絶対の自信を覗かせます。多くのファンが待ち望む新型マシンの正式発表は、もう目前に迫っているのかもしれません。

英国で開催されたスピードの祭典「GOODWOOD」で新型スポーツ「TOYOTA GT Concept」とそれをベースにFIA GT3カテゴリーへの参戦を目指して開発中の「TOYOTA GT Racing Concept」を世界初公開(画像:トヨタ自動車株式会社SNSより)
英国で開催されたスピードの祭典「GOODWOOD」で新型スポーツ「TOYOTA GT Concept」とそれをベースにFIA GT3カテゴリーへの参戦を目指して開発中の「TOYOTA GT Racing Concept」を世界初公開(画像:トヨタ自動車株式会社SNSより)

 2025年7月、英国で開催された伝統のモータースポーツの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。世界中の自動車ファンが注目するこのイベントで、トヨタは2台のコンセプトカーを世界初公開し、大きな話題を呼びました。

 その名は「TOYOTA GT Concept」と「TOYOTA GT Racing Concept」。

 前者は公道走行を想定したロードカー、後者はFIA GT3カテゴリーへの参戦を目指すレーシングカーです。

 ロングノーズとショートデッキを特徴とする流麗かつ力強いフォルムの2台は、グッドウッドを実際に走行し、その存在感を世界に示しました。

 特にレーシング仕様の「TOYOTA GT Racing Concept」は、巨大なリアウイングや複雑な形状のディフューザーなど、レースで勝つための機能美に溢れており、多くのモータースポーツファンを魅了しました。

 このマシンの開発計画は、2022年の「東京オートサロン」で発表された「GR GT3 Concept」にまで遡ります。

 当時、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、「ドライバーファーストのクルマづくり」を推進し、カスタマーモータースポーツの最高峰であるGT3カテゴリーで戦うユーザーに向け、魅力的なクルマを提供したいという強い思いを語っていました。

 GT3カテゴリーは、自動車メーカーが開発・製造した車両をプライベートチームが購入してレースに参戦する「カスタマーレーシング」の主戦場です。

 そのレギュレーションでは、ベースとなる市販車が存在することが定められており、これが「TOYOTA GT Racing Concept」とロードカーである「TOYOTA GT Concept」が並行して開発されている理由です。

 TGRはこれまでも「GRヤリス」のように、モータースポーツ用の車両を市販化するという逆転の発想で成功を収めてきました。

 今回のGT3マシン開発も、レースの現場で得た知見や技術を量販車に活かす「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」をさらに推進するプロジェクトなのです。

 現在、レクサスブランドで「RC F GT3」がGT3カテゴリーで活躍していますが、2015年のデビューから時間が経過しており、次世代を担う後継モデルの登場が待たれていました。

 この新型マシンがその役割を担うのか、あるいはTOYOTA GAZOO Racingブランドから投入されるのか、その動向にも注目が集まっています。

開発は佳境へ…TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ会長(トヨタの副社長)の中嶋裕樹氏が語った

 グッドウッドでの衝撃的なデビューから約2ヶ月。2025年9月28日、FIA 世界耐久選手権(WEC)第7戦が開催された富士スピードウェイで、その開発状況に関する最新情報が明かされました。

 TGRのプレゼンテーションにおいて、メディアからGT3車両の現状について問われたTOYOTA GAZOO Racingヨーロッパ会長(トヨタの副社長)の中嶋裕樹氏は、少し表情を和らげながらも、「もうすぐ…(笑)」「順調に…近々」と含みのある言葉で現状を示唆。

 それに対してTOYOTA GAZOO Racing グローバルモータースポーツダイレクターの加地雅哉氏は、まず「GT3“は”順調です」とコメント。

 またそばにいたTOYOTA GAZOO Racing 高橋智也プレジデントは思わず「順調に苦しんでます」と一言。

 これらの会話からレーシングカー(GT3)の開発は計画通りに進んでいる一方で、公道走行を想定したロードカーに関しては、様々な苦労があるようです。

 こうしたロードカーと同時にGT3カテゴリーで勝つマシンを生み出すことの難しさ、そして一切の妥協なく高いレベルを目指している開発現場の奮闘を物語っているかのようでした。

 さらに、実戦デビューへの期待を問われると、中嶋氏は力強く「むちゃくちゃ(期待してほしい)。そのためにやってます」と断言。

 デビュー時期については「むちゃくちゃ近い将来」と述べ、ファンにとっては非常に心強い言葉が続きました。

 この発言からは、開発の最終段階が目前に迫っていることがうかがえます。中嶋氏は「あそこ(グッドウッド)に持って行って恥ずかしいものは出せないので。それなりのものはできつつある」とも語っており、グッドウッドでの実車走行が、マシンの完成度に対する自信の表れであったことを裏付けました。

英国で開催されたスピードの祭典「GOODWOOD」で新型スポーツ「TOYOTA GT Concept」とそれをベースにFIA GT3カテゴリーへの参戦を目指して開発中の「TOYOTA GT Racing Concept」を世界初公開(画像:トヨタ自動車株式会社SNSより)

※ ※ ※

 プレゼンテーションの最後には、中嶋氏から「近々、こちらからアナウンスするかもしれません…(笑)」という、さらなる期待を煽るコメントも飛び出しました。

「順調」でありながらも「苦しんで」開発が進められている新たなモデル。そのデビューは「近い将来」に迫っています。

 一体どのレースでその雄姿を現すのか。そして、ベースとなるロードカーの派生となる「LEXUS Sport Concept」は、レクサスがモントレー・カー・ウイーク2025でお披露目しています。

 こちらはファンの間で噂されるように、かつての「LFA」の後継となるような特別なモデルとして登場するのか。

 全ての答えが明らかになる公式発表の日は、そう遠くないようです。

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