なぜコンビニは「前向き駐車」が推奨? 出るときにラクな「バック駐車」はどうしてダメなの? 店舗がお願いする“切実”な理由と守らなかった際の「悪影響」とは
コンビニで「前向き駐車」を推奨していることには、どのような理由があるのでしょうか。
コンビニの駐車場 だいたいが「前向き駐車をお願いします」
多くの人にとってなくてはならない存在となったのが、「コンビニ」です。
そのコンビニにクルマで行く人も多いと思われますが、駐車場は「前向き駐車」が推奨されています。なぜなのでしょうか。
![コンビニ前向き駐車 理由は?[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2024/08/20230808_konbini_000.jpg?v=1691499059)
日本国内におよそ5万7千店舗あるといわれる「コンビニ」こと、コンビニエンスストア。
限られたスペースのなかに、日常生活で必要とされるものがグッと凝縮されて陳列・販売されており、実質的にライフラインの体をなしています。ついつい用がなくても立ち寄ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
都市部では駐車場がある店舗は比較的少ないですが、郊外に行くにつれて駐車スペースが広くなり、トラックなどの大型車が停められるスペースが用意されているコンビニもあります。
そんなコンビニの駐車場ですが、多くの店舗ではクルマを停める場合、「前向き駐車」が推奨されています。
バック駐車のほうが、買い物を終えて出発するときに楽だと思いますが、もちろんこれにはいくつかの理由が挙げられます。
1つめの理由としては、「店舗の入口側にマフラーが向くことで、排気ガスが店内に入る可能性」が挙げられます。
コンビニの出入り口は多くの人が行き来します。
大なり小なり、駐車中のクルマの排気ガスを吸うことになってしまいます。
小さなお子さんであれば、よりマフラーの出口に近いところに顔があるのでなおさらです。
この時期は暑いこともあり、エンジンを掛けたままの状態でコンビニの駐車場で休憩をとるドライバーをしばしば見掛けますが、一定の配慮をしておきたいところです。
2つめには「コンビニの近隣の住宅への配慮」が挙げられます。
コンビニの隣の敷地が民家で、ほとんどの場合は塀があるものの、風向きによって排気ガスやエンジンのアイドリング音が流れ込んでしまうことがあります。
隣家の住民にとっては音も排気ガスの匂いも、大変なストレスになります。
特に、家の窓を開ける涼しい時期ともなれば、必然的に排気ガスが家のなかに入り込んできてしまいます。
これが常態化すると、近隣の住民からコンビニにクレームがくるようになり、これがエスカレートすると閉店に追い込まれるケースもあります。
老若男女、さまざまな人が利用するコンビニ。
その便利さを影で支えているのは店舗のスタッフであったり、商品を店舗まで運ぶドライバーであったり、工場で弁当を作る人であったり、実に多くの人に支えられていることが分かります。
また、近隣の住民が日常的に利用することで、経営が成り立っている側面もあります。
もちろん法律で前向き駐車が義務付けられているわけではありませんが、利用する人にとって快適な場所となり、また店舗の営業がしやすく、街なかのライフラインの役割を守るためにも、一定の配慮をしていきたいものです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。
























