駐車時に「ハザード」点灯して後退… 一体どんな意味? 点けないと違反になる? ドライバーの“暗黙の了解”「リバースハザード」 法的にはどうなのか
駐車場でバック駐車する際、ハザードを点けてバックするという人もいるでしょう。この行為はどのような意味があり、法的にはどうなのでしょうか。
「リバースハザード」とは何なのか?
PA/SAやスーパー、ショッピングモールなど、施設の駐車場でバックして駐車する際に「ハザードランプを点灯」している光景を見かけます。
一体どういう意味があるのでしょうか。
また、これは法的に義務付けられているのでしょうか。
![「リバースハザード」を使うクルマのイメージ [画像:PIXTA/イメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/09/20250908_chushajo_000.jpg?v=1757323134)
休日のPA/SAやスーパー、ショッピングモールなどの駐車場の確保は、まさに「争奪戦」です。
時間帯によっては巨大な駐車場がすべて埋まるくらいのクルマがつぎつぎとやってくるため、「空いた場所を見つけたらすぐに駐車する」くらい、一瞬の決断力が求められます。
もしかしたら「ひょっとしたらもっといい場所が空いているかも」と欲を出して、結局見つからず時間だけをロスした、といった経験があるかもしれません。
「空いている場所がない…」とモヤモヤしているのはあなただけではありません。ほかの人も同様です。
事実、あなたのクルマの背後には、同じように「空いている駐車場を探している」後続車が何台もついてきていることがあります。
そんな「モヤモヤタイム」に終わりを告げる瞬間がついに訪れます。
駐車場から1台のクルマが発進し、目の前に「空いている駐車スペース」が現れたのです。
はやる気持ちを抑え、まずはハザードランプを点灯。いわゆる「リバースハザード」です。
リバースハザードの意味は、後続車に対して「ここに駐車するからちょっと待っててね」という意思表示です。
この意思表示により、後続車のドライバーはほかの駐車場を急いで探したい気持ちを抑え、ほとんどの場合はおとなしく待ってくれます。
これで無事に駐車完了し、ハザードを消してミッションコンプリートです。
さて、ハザードランプは、日本語に置き換えると「非常点滅表示灯」となります。
法的にハザードランプを点灯させることが義務づけられているのは「故障などでやむを得ず路上に停車するとき」「夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車するとき」と「通学・通園バスが子どもの乗降のために停車するとき」の3つです。
このようにリバースハザードは法的な義務はなく、ハザードを点灯させなくても全く問題ありません。その反対に、リバースハザードを直接取り締まる違反もありません。
「サンキューハザード」と同じで「ドライバー同士の暗黙のルール」となっているのが実態です。
では、点灯する意義はあるのでしょうか。
公道のみならず駐車場なども、ドライバーの経験値やスキル、運転頻度、年齢など、さまざまな要素が絡み合う公共の空間です。
「そこの駐車場が空いたんだから、これから停めようとしているのは分かるよね」という考えはときに独りよがりになってしまうことがあります。
最近は外国人ドライバーが増えつつあるため、地域によっては「言わなくても分かるよね」が通用しないケースもあるようです。
また、駐車場が空いていないということは、クルマから降りて施設に向かう、あるいは施設からクルマに戻ろうとしている人と遭遇しやすいことを意味します。
そうすると、当然人と接触する危険性も増します。リバースハザードは、周囲に対して少しでも注意喚起を促す必要があります。
そのため、法的な義務はないけれど、筆者(松村透)は状況に応じて臨機応変に点灯させて良いのではないかと考えます。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。





























