「無免許がばれるのが怖かった」 9歳女児をひき逃げした51歳男を逮捕! 過去には無免許運転で検挙も… 何があった? 元警察官が解説
大阪府警は先日、無免許運転で自転車に乗った9歳の女児をひき逃げした上、ケガをさせたとして51歳の自営業の男を逮捕しました。どのような事故だったのでしょうか。
9歳女児ひき逃げで…無免許運転の51歳男逮捕、何があった?
大阪府警は8月29日、大阪府堺市の路上で無免許運転をして自転車に乗った9歳の女児をひき逃げした上、女児に頭部打撲などの軽傷を負わせたとして、堺市北区に住む51歳の自営業の男を自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。
この男の悪質な行為に対してインターネット上では厳罰を求める声も上がっています。では、どのような事故だったのでしょうか。

警察によると、男は8月28日の午後2時半頃、堺市美原区の市道を軽自動車で無免許運転中、自転車に乗った9歳の女児と信号機のない交差点で出会い頭に衝突。
男が一度クルマを降りて女児に「大丈夫か」と声を掛けたところ、女児は痛がって首を横に振りましたが、男は救護措置をとることなく現場から走り去りました。
女児は友人宅に向かう途中でしたが事故後に帰宅し、母親が110番通報したことでひき逃げが明らかになりました。そして警察が付近の防犯カメラ映像から男を割り出し、逮捕に至ったということです。
なお男は過去に運転免許を一度失効、その後仮免許を取得していましたが、2023年9月に大阪府内を同乗者なしで運転したとして「無免許運転」で検挙されました(仮免許中は一定の資格を持った指導者を同乗させる必要があり、練習目的以外で運転すると無免許運転に該当)。
しかし行政処分の手続きが間に合わず2023年10月に運転免許が交付され、2024年5月になってから1592日間の免許取り消し処分を受けていたということです。
警察の調べに対し男は「間違いありません」と容疑を認めたほか、「無免許がばれるのが怖かった。女の子に声をかけたら反応があったので大丈夫だと思った」などと話しています。
このニュースに対しインターネット上では「無免許で捕まっているにもかかわらず、懲りもせずまた運転するなんて呆れる」「(子どもは)軽傷ということだが、体と心に深い傷を負わせた罪は大変重い。過去にも検挙されているので救いようがない」など、男の行動を強く非難する声が上がっています。
加えて、「こういうケースは、常に危険運転致死傷罪を適用し、厳罰に処すべき」「無免許や飲酒で事故を起こした場合、たとえ軽微な物損でも最低10年程度は塀の中に入らせなきゃ抑止効果は無いと思う」など、悪質な運転行為の厳罰化を求める意見も寄せられています。
そのほか、「運転免許証をスキャンしないとエンジンがかからないような仕組みでも装備しないと、無免許運転はなくならないよね」「難しいとは思うが、クルマを販売する側も運転免許証の確認を徹底した方が良いのでは」など、車両自体のシステムや販売方法を改善すべきという意見も聞かれました。
警察庁の統計によると、2024年における無免許運転の検挙件数は1万8031件で、単純計算ではあるものの、1日あたり約50件が検挙されていることになります。
ただし、これはあくまで検挙された数であり、捕まっているのは氷山の一角ともいわれています。
現在のところ無免許運転の罰則は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」であり、このほか行政処分として点数25点が加算され、過去に行政処分前歴がない人であっても免許取り消し処分(欠格期間2年)を受けることになります。
またドライバーが無免許であることを知りながら自動車を提供したり、クルマに同乗したりした人も「無免許運転ほう助」とみなされ、刑罰の対象となる可能性があります。
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今回の事案のように無免許を認識しながら運転する行為はもちろん、運転免許を「うっかり失効」した後に運転する行為も無免許運転に該当します。
自分の運転免許証の有効期間や免許更新時期などは定期的に確認しておくことが大切です。




















