「ヘリで取り締まりしました!」 警察が“本気の取り締まり”実施! 大迷惑な「重量オーバートラック」6台を“摘発”! 地上×上空の連携プレーで「違法過積載車」検挙 茨城
茨城県警は公式SNSで、ヘリコプターを活用した過積載車両の取り締まりについて報告しました。
上空のヘリ×地上のパトカー・白バイで猛追尾
茨城県警は2025年8月30日、公式SNSを更新。
県警の「ヘリコプター」を使い、県内で過積載車両の取り締まりを実施したと発表しました。
一体どういうことなのでしょうか。

トラックやダンプなどの貨物車両では、クルマごとに積載できる量を定めた「最大積載量」というものがあります。
これを1kgでもオーバーした状態「過積載(オーバーロード)」で運行することは、道路交通法や道路運送車両法に違反する行為で、罰則の対象となります。
では、なぜ過積載してはならないのでしょうか。まず、過積載をすることの最大のリスクが「ブレーキが効かなくなること」が挙げられます。
物理の法則で、車両の重量が重くなるとその分ブレーキが効きにくくなります。もし過積載を行い、最大積載量の何倍、何百kg以上という爆積み状態をしていると、その「停まりにくさ」は甚大なものとなります。
全日本トラック協会によれば、80km/hで走行中の10トントラックで、合法な最大積載量上限の10トンを積んでいる場合、制動距離は50.3m。これに対し、たった8トンの過積載状態(18トン積み)では70.3mへと延長。
これは距離にして電車1両分、もしくは大型トラック2台分にあたる20mと相当なものになります。
もし急にこどもが飛び出してきたら、あるいは前のクルマが急ブレーキを踏んだら、「本来停まれた地点」からはるか遠くまでオーバーランすることになり、大事故に発展します。
しかも、重さに比例してエネルギーも増大するため、突っ込んだ相手に与えるダメージも通常よりも大きなものになります。過積載をしていなければ軽い物損で済んだものが、大事故を招くことになるのです。
事故に至らなくても、過積載することで「運転時の操縦性の低下」と「トラックの致命的な故障」を招くときがあります。
特に悪質な過積載状態では、荷台が異常な重さになることで、車体のバランスを崩しやすくなります。カーブでは想定以上のGがかかり、容易にスピンしたり、横転・転覆します。
車両自体にも、あまりに重たい重量が徐々にダメージを与え、エンジンや足回りの著しい劣化を引き起こします。ボディやシャシにも影響を与え、最悪の場合は折損して、その場で走行不能になります。
そこまでにはならなくても、重くて加速せず、目一杯アクセルを踏んで燃費が悪くなります。タイヤも偏摩耗を起こし、重さの影響とともにブレーキが効かなくなり、雨の日はスリップします。
さらに、過積載車が通行することで、道路の舗装や橋脚、高架などの構造物にもダメージを与えます。
これを直すのに多額の税金が使われるとともに。補修のための道路工事でクルマ利用者全体に迷惑を及ぼすのです。
事故になると、事故の責任に加え、過積載をしていた事実にも厳しい追及がなされます。もしかすると違法行為が起因する事故として、保険が下りない可能性もあります。
さらに、過積載状態で運行させた会社にも当然責任が及び、社名の公表などで取引先からの仕事を打ち切られるなど、社会的な制裁も受ける可能性があります。
しかし、過積載は依然として全国的になくなっていません。
茨城県警ではかねてより取り締まりを強化しており、県を貫く主要道路「国道294号」と、県中部の横軸となっている「国道354号」で取り締まりを実施。
しかも今回は県警のヘリコプターを活用。上空から過積載疑いの車両を見つけては、地上の白バイやパトカーへ即座に連絡を取るといった作戦を実施。
残土や産業廃棄物の過積載車両6台を検挙できたといいます。
同警ではこれまでも、主要国道を中心に白バイや覆面パトカーなどを使って、直接過積載疑いのクルマを取り締まっているほか、抜き打ちで重力測定所を設けてその場で検挙しています。
産業廃棄物の運搬に関しては特に目を光らせており、県と合同の捜査で、過積載を行った荷主の正体や産廃の出どころ、行先の特定を進めています。
同警は「過積載は事故の元!」と呼びかけています。
※ ※ ※
過積載が減らないことの背景には、ドライバーや運送会社が直接の原因ではなく、ドライバーや運送会社に仕事を依頼する“荷主”の立場が非常に強いことがあります。
ドライバーや運送会社がルールを守ろうとしても、コストを削りたい荷主が「オーバーしても運べ」という圧力を与え、仕方なくそれに応じる形になっているのです。
ちなみに2014年には制度が改正され、過積載などの違反行為が見つかった時、原因をさかのぼり、荷主に対して即刻改善要求と荷主名の公表などが実施される「荷主勧告」が発動されやすくなりました。















































































