「4ナンバー」と「5ナンバー」どう違う!? トヨタの斬新「“4ナンバー”シエンタ」発売で注目! 知ってるようで知らない謎の存在「商用車」とは
トヨタ「シエンタ」一部改良と同時に追加され注目を集めたのが、「シエンタJUNO」です。従来のシエンタとは違い、乗車定員2名の「4ナンバー登録」となります。5ナンバーと4ナンバーのクルマには、一体どのような違いがあるのでしょうか。
維持費が安くて良いことだらけ!? 4ナンバー車の知られざる魅力
2025年8月5日、トヨタはシエンタを一部改良するとともに、モデリスタと共同開発したコンプリートカーの「JUNO」を設定しました。
通常の3列シート・7人乗り・5ナンバーのコンパクトミニバンとは大きく異なり、JUNOは乗車定員2名の「4ナンバー商用車登録」という大きな特徴を持ちます。
普通のシエンタとは一味違う「“4ナンバー”シエンタ」の魅力とは、いったいどのようなものでしょうか。

「持ち運べる部屋」という新しいクルマの価値を提供するシエンタJUNO。
JUNO(ジュノ)というネーミングは、日本語の「順応」に由来します。
着脱可能な家具モジュールを組み合わせ、専用空間を作ることのできるこのクルマは、後席部分を架装し2人乗り仕様となっています。
そのため、車両登録時には通常のシエンタの5ナンバー区分から、4ナンバー区分に変更されます。
会社の営業で使われる商用バンや配送業のクルマでよく見る4ナンバーのクルマですが、実際に普段私たちが乗る5ナンバーのクルマとは何が違うのでしょうか。
4ナンバーと5ナンバーを見分けるポイントは、ナンバープレートの地域名の次にある3桁の数字の百の位です。
ここが4ならば4ナンバー(6の場合もある)、5ならば5ナンバー(7の場合もある)となります。
どちらも小型自動車に対して付与される番号ですが、5ナンバーは主に人の運送に使用される自動車に対して付けられ、4ナンバーは貨物運送用途の自動車に付けられものです。
実際に4ナンバーのクルマとして登録するには、いくつかの条件を満たす必要が出てきます。
まず、荷物スペースの床面積が1平方メートル以上あることや、運転席と荷物スペースに壁や仕切りがあることです。
また、4ナンバー車は荷物を運ぶためのクルマであることから、積載スペースは乗車スペースよりも広い必要もあります。
さらに、車両の最大積載量が乗車定員の重量を上回る必要もあるので注意が必要です。
車両の大きさは全長4.7m以下・幅1.7m以下・高さ2m以下、排気量2000cc以下で、荷物の積み下ろし口が80cm四方以上あることも条件になります。
こうした車両規格を全て満たすクルマを、4ナンバーとして登録することができるのです。
5ナンバー車の車検は新車登録後に3年、継続検査で2年となりますが、4ナンバーのクルマでは少し異なります。
4ナンバー車の車検の有効期限は、新車登録で2年、継続検査で1年となるため、新車時以外は基本的に毎年の車検が必要です。
そして、4ナンバー車の大きなメリットは、税金の安さにあります。
5ナンバー車の場合、排気量で自動車税種別割の税額区分が決められますが、4ナンバーでは最大積載量と総排気量で税額区分が細分化されているのです。
標準のシエンタとシエンタJUNOで比較した場合、5ナンバーのシエンタは排気量1リッター超1.5リッター以下で3万4500円なのに対して、シエンタJUNOは最大積載量1トン以下で排気量1リッター超1.5リッター以下となるため、自動車税種別割は1万4300円となります。
また、車検時や車両登録時に必要な重量税は、5ナンバーのシエンタの場合車両重量で決まり、2万4600円。
これに対して、4ナンバーのシエンタJUNOは最大積載量で決まり、3300円となるところにも注目したいところ。
毎年車検という手間がある分、クルマにかかる税金は圧倒的に4ナンバーの方が安いのです。
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2名乗車という限定条件はありますが、シエンタJUNOの使い方や経済性は、標準のシエンタよりも大きく広がっています。
違いをしっかりと理解しておけば、4ナンバー登録のメリットも、生かすことが出来るでしょう。
キャンプに仕事にチルアウトに、2人までの生活でシエンタを使い倒すなら、JUNOという選択が最適解かもしれません。
Writer: 赤羽馬
金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。




























































