NEXCO中日本は2025年5月22日、リリースを発表。中央道の「諏訪湖SA」を8月15日のピンポイントで「6時間だけ閉鎖」すると発表しました。

　これは、当日の夜に開催される「諏訪湖祭湖上花火大会」に備えるためということです。一体どういうことなのでしょうか。

　諏訪湖SAは長野県諏訪市（上り線）と岡谷市（下り線）にあるSA（サービスエリア）です。名称の通り、諏訪湖の南岸に位置しています。

　長野道・中央道の名古屋方面に分岐する岡谷JCTの手前にあり、中央道のなかでも談合坂や双葉に続く、比較的大きなSAとなっています。

　長野県のグルメや土産をたくさん取り扱っているほか、上下線ともに「ハイウェイ温泉」が設置され、これを目的にSAに訪れる人もいます。

　さらに、上下線どちらもやや小高いところにあって、諏訪湖を一望できる迫力ある景色を楽しめることから非常に人気のSAとなっています。

　さて、諏訪湖では毎年「諏訪湖祭湖上花火大会」が開催されています。非常に長い歴史をもつ大会で、湖上花火としては全国規模で有名です。大スターマインやナイアガラなど、迫力のある演出が人気で、信州の山々に音が反響し、ほかよりも迫力があります。

　例年、地元の人だけでなく、わざわざこの花火大会を見に首都圏などからも客が集まっており、数十万人の観客を記録。JRでは東京方面などからの臨時列車を多数運行するほか、高速道路は諏訪ICから会場までが大渋滞となります。

　ことしの第77回は8月15日に開催され、時間は19時から21時頃までです。

　打ち上げ場所は諏訪湖の東岸で、諏訪湖SAからはちょうどいい位置にあります。

　そうしたことから、毎年諏訪湖SAはこの「諏訪湖祭湖上花火大会」を“タダ見”できる「裏特等席」として密かに人気があり、当日はSAに入れないほどの大混雑が発生しています。

　SA内は花火大会の終了まで居座るクルマが増え、トイレ休憩や買い物など、本来の利用者が入れなくなっているほか、完全に満車になってしまい、駐車スペースが空くのを入口で待機する車列がどんどん増えていき、本線上にまで伸びることもあります。

　SAの運用どころか、首都圏と信越地域／岐阜・愛知方面の大動脈を担う中央道の交通流にまで大きな影響を与えています。

　こうした現状に対し、NEXCOは「道路を安全にご利用いただくために必要」とし、対策を講じました。それが「SAの閉鎖」です。

　花火大会開催の数時間前から“場所取り”する人もいることから、打ち上げ開始の4時間も前の15時から閉鎖を開始。SA施設に併設の諏訪湖SICの出口も利用ができなくなります。

　さらに、「諏訪湖SA閉鎖後の引き続きの駐車はご遠慮ください」とすべてのクルマを退出させる、すなわち利用客を閉め出す措置が取られます。

　NEXCOは理解と協力を求めるとともに、「近隣のIC・SA・パーキングエリア（PA）などのご利用や、お出かけ時間の変更をお願いいたします」としています。

　なお、大会実行委員会も諏訪湖SAでの花火観覧は明確に禁止しており、公式サイト上では、「花火見物のための中央自動車道・諏訪湖サービスエリア上下線に駐車しての花火観覧はおやめください。サービスエリアをご利用される他の方の迷惑となるとともに、渋滞、事故の発生原因となるおそれがあります」と呼びかけています。

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　花火大会に伴う高速道路施設の閉鎖は、諏訪湖SAだけではありません。

　首都高向島線の駒形PA（隅田川花火大会）、東海環状道内回りの鞍ヶ池PA（豊田おいでんまつり花火大会）、名神高速の大津SA（びわ湖大花火大会）などでも同様に実施されています。