サーキット育ちは伊達じゃない! アプリリアのフラッグシップ「RSV4RF」
速さの秘密は電子デバイスにあり
「アプリリアが最も得意とし、ライバルメーカーに対してアドバンテージを握っているのがその電子デバイスです。弊社ではそれらを総称して“APRC”(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)と呼んでいますが、2011年型のRSV4に搭載されたこのデバイスはすでに3世代目へと進化し、介入のスムーズさや制御の緻密さは常に他社より抜きん出ていると自負しています」(河野さん)
好みの出力特性が選べるエンジンモードやトラクションコントロール、ウィリーコントロール、コーナリングABS、クイックシフターなどは今時のスーパースポーツなら当然のこと。RSV4 RFの独創性を感じさせる機能は他にあり、そのひとつが「V4-MP(マルチメディアプラットフォーム)」というシステムなのです。
これはスマートフォンのGPSアンテナと車載のマネジメントシステムを連動させることによって、サーキットのどこを走っているかをリアルタイムで検出し、それによってトラクションコントロールやウィリーコントロールの介入度を変化させるというものです。
と、サラッと書きましたがこのスゴさが分かっていただけるでしょうか?
つまり、あるコーナーは路面が荒れているためトラクションコントロールの介入度を上げたいけれど、他のコーナーはパワーを最大限伝えるために介入度を下げたい、というシチュエーションがあったとしましょう。そんな時、これまでの制御ならその中間的な介入度にセットしておくか、荒れたコーナーはガマンしながら走るか。いずれにしても妥協点を探る必要があったのですが、このシステムをフル活用すれば、あらかじめセットしたプログラムに従って、コーナー毎にその介入度が自動的に変化。いつでも望み通りのパフォーマンスで走れるというわけです。
また、このV4-MPにはスロットルを開けるタイミングやブレーキングポイントを視覚化する機能も組み込まれ、ライディングをアシスト。ひと昔前ならファクトリーマシンでも無理だった夢のようなシステムが組み込まれているのです。(ただし、機能する場所には限りがあり、スーパーバイク世界選手権が開催されているサーキットが中心です)