ホンダ「N-BOX“クーペ”」がスゴかった! 低いルーフでも“室内広々”&「スライドドアじゃない」斬新スタイル採用! スタイリッシュ内装もいい「スラッシュ」とは!
広い室内空間が幅広い層から支持されるホンダの軽スーパーハイトワゴンの「N-BOX」ですが、かつて、あえて背を低くした“クーペ風”の「N-BOX スラッシュ」が存在しました。どのようなモデルだったのでしょうか。
“スライドドアじゃない”斬新スタイル採用!
2011年の発売以降、軽トールワゴン市場のみならず、新車販売のトップの座に君臨し続けるのがホンダ「N-BOX」です。
そんなN-BOXですが、過去には「N-BOX スラッシュ」という派生モデルが存在しました。
一体どのようなモデルだったのでしょうか。

N-BOXスラッシュは、2014年に発売されたN-BOXのロールーフモデル。通常のN-BOXよりも背の低い独特の斬新なスタイリングで注目を集めました。
そもそもN-BOXは、従来の軽トールワゴンよりもさらに背が高い「ハイトール」である点が大きな特徴。しかし、N-BOXスラッシュではその特徴をあえて抑えることで、新しい魅力を生み出すことに成功したのです。
2014年当時に現役モデルだった初代N-BOXは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1780-1800mmとハイトールのスタイリング。
一方、N-BOXスラッシュは全長と全幅はN-BOXと同じですが、全高は1670mm-1685mm(FFと4WDモデルで違いがある)と、約100mmも低くなっています。
全高だけで見るとスズキ5代目「ワゴンR」に近い数値ですが、N-BOXスラッシュは、リアに向かってルーフラインを絞り、さらにウインドウのラインをせり上げることでクーペのようなスタイリングを生み出しています。
また、ルーフとそれ以外が異なるツートンカラーの採用や、リアドアを目立たせないように工夫することで“2ドア”のようなサイドグラフィックを実現。これもクーペ感を引き上げているポイントでした。
ルーフは低くなっているものの、広い室内空間というN-BOXの特徴は健在。さらに室内の広さが実感できるよう、インテリアには直線基調のシンプルなレイアウトを採用しています。
インテリアカラーは、ユーザーの好みに合わせてチョイスできるよう、複数のカラーパターンを用意。
例えば、「ダイナースタイル」は、レッドをメインに、ホワイトとチェック柄を用いた力強いカラーリング。また、ホワイトを基調とするカラーリングの「グライドスタイル」は、落ち着いた車内空間にすることができました。
ほかには、ケブラーコーンスピーカーとアルミドームツイーターに、バックロードホーン型サブウーファーを搭載しているのも特徴でした。
ちなみに、エンジンラインナップはベースになったN-BOXと同じNA(自然吸気)とターボの2種類。トランスミッションなど基本的なメカニズムもN-BOXと同様ですが、電動制御式のパーキングブレーキを採用していた点がベースモデルとの違いです。
※ ※ ※
スタイリッシュなクーペスタイルのN-BOXスラッシュは、狙いどおり若い世代から注目を集めました。
しかし、200万円以上という、軽自動車としては強気の価格設定がターゲット世代には厳しかったのか、評価の高さに反して売り上げは伸びず、残念ながら2020年2月で販売終了となってしまいました。
Writer: 大西トタン@dcp
(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。






























