昔よく言われた「1馬力=1万円」は本当? 車の1馬力当たりの金額を検証してみた

最近ではエコや安全が重視され、馬力はそれほど重視されませんが、クルマの1馬力当たりの金額はいくらなのでしょうか。昔は「1馬力=1万円」などといわれましたが、今のクルマはどうなっているのか検証してみました。

クルマ1馬力あたりの金額を徹底検証!

 最近ではエコや安全が重視され、昔のようにクルマの高性能さを争った「馬力競争」という時代ではなくなりましたが、クルマの1馬力当たりの金額はいくらなのでしょうか。昔は「1馬力=1万円」などといわれましたが、昔と今のクルマはどうなっているのか検証してみました。

日産 スカイライン 2ドア スポーツクーペ25GT ターボ(1998)

 ちなみにクルマ開発の現場では言われたことがあったのか、「CR-Xデルソル」などの開発責任者を務めたホンダの元開発者である繁浩太郎氏に、「1馬力=1万円」という考え方で開発したことはありますか?と聞いてみると、「全くそんなことは考えたことはありません。いいクルマを作るにあたり、そんな考え方はありません」とのことでした。

 筆者(渡辺陽一郎)が自動車雑誌の編集長をしていた頃は、「1馬力=1万円」という使い方を同車種で異なるエンジンやパワーが与えられていた時に、グレード毎のお買い得感の指標に使っていました。車種が違ったら、計算はまったく成り立たなくなります。

 例えばトヨタ「シエンタ1.5X」の価格は181万6363円で、最高出力は109馬力。トヨタ「ヴェルファイア2.5X」の価格は335万4480円で、最高出力は182馬力になる。最高出力はヴェルファイアが73馬力高いが、価格は153万8117円上まわります。すると「1馬力=1万円」どころか、2万円以上の差が付いてしまいます。

 したがって比べるのは同じ車種同士となります。排気量を拡大したり、ターボを装着するなどのパワーアップが行われた時に「価格がどの程度高まるのか」という計算になります。

 まず昔良く言われた「1馬力=1万円」が本当なのかを検証したいと思います。過去に遡りすぎると物価が違ってしまうので、20年前で考えてみます。

 1998年に販売されていた8代目トヨタ「マークII 2.0グランデ」は、価格が235万円(当時は消費税を含まない本体価格表示)で、直列6気筒2リッターエンジンの最高出力は160馬力。同じく「マークII 2.5グランデ」は、価格が264万円で、直列6気筒2.5リッターエンジンの最高出力が200馬力でした。

 つまり最高出力が40馬力の違いで価格差は29万円なので、1馬力当たり7250円になります。少し安いですが、大幅なズレともいえません。

 10代目のR34型日産スカイライン2ドアクーペでみると、2.0GTの価格が234万4000円で、直列6気筒2リッターエンジンの最高出力は155馬力。25GTの価格は260万7000円で、2.5リッターエンジンの最高出力は200馬力。25GTターボの価格は303万5000円で、2.5リッターターボの最高出力は280馬力でした。

 装備の違いも多少はありますが、2リッターと2.5リッターでは、価格差が26万3000円、最高出力の差が45馬力ですから、1馬力当たり5844円です。2.5リッターは2リッターよりも割安にパワーアップされていたということになります。

 また2.5リッターと2.5リッターターボでは、価格差が42万8000円、最高出力の差が80馬力だから、1馬力は5350円。スカイラインのようなスポーツモデルは、動力性能が割安に高められ、高性能なグレードほど買い得でした。

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