トヨタの高級ミニバン「アルファード」どんな人が乗ってる? 「残価設定」で安く乗るor「最上級モデルを現金」の人も!? 飛ぶように売れてる「人気高額車 アルヴェル」ユーザー層は?

トヨタの高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」を購入するのは、どのような層なのでしょうか。

「残価設定」で乗る人もいるが…「現金即決」のタイプも

 街中で見かける日がないくらい売れに売れているトヨタ「アルファード」および「ヴェルファイア」。実際にどのような人が買っているのでしょうか。

 首都圏のトヨタディーラー、そしてオーナーに聞いてみました。

「アルファード」一部改良で「8人乗り X」設定!(画像はエグゼクティブラウンジ)
「アルファード」一部改良で「8人乗り X」設定!(画像はエグゼクティブラウンジ)

 アルファードは初代モデルが2002年に登場しました。当時の日産「エルグランド」がもたらした高級ミニバン需要の到来に対応するため、押し出しの強いエクステリアや豪華な内装、ハイパワーなユニットを採用し、一気に人気モデルへ。

 2008年登場の2代目では、さらに存在感のある顔立ちの兄弟車 ヴェルファイアもラインナップし、エルグランドを追い越す勢いを身につけます。

 現行モデルにあたる4代目アルファード、そして3代目ヴェルファイアは、2023年6月にデビュー。先代で勝ち取った「高級ミニバン」の定番として正当な進化を遂げ、高級車でありながら売れに売れています。

 2024年のアルファードの販売台数は7万9374台、ヴェルファイアは3万3105台でした。これは月平均にするとアルファードが約6600台、ヴェルファイアが約2800台売れている計算となります。

 ざっくりではありますが、2つのモデルをあわせると、月に1万台近い販売台数を記録しているのです。どうりで街中でもよく見掛けるわけです。

 ただし、現行型では上級車志向が追求され、当初は上級モデルのみの設定という割り切ったラインナップを展開。2025年1月にはようやく安価なグレード「X」が追加されましたが、それでも510万円はします。

 そして最上級モデルである「エグゼクティブラウンジ」ともなれば、オプション込みで1000万円はゆうに超えてくる、まごうことなき最高級車のクラスです。

 つまり、この2台が日本を代表する最強のミニバンであることはほぼ間違いなく、異論を唱える人は少数派でしょう。

 では、なぜこんな高額モデルがこれほど街中にあふれているのでしょうか。首都圏のトヨタディーラーのセールスの方は以下のように話してくれました。

「先代モデルからのお乗り換えの方が圧倒的に多いですね。

 すでにご存知の方がいらっしゃるかもしれませんが、アルファード/ヴェルファイアはリセールバリューが良く、リース期間満了をもって現行型にお乗り換えというケースが多いです。

 当初は『10年は乗る』とおっしゃっていたお客様も、ショールームで新型を見てしまうと、ついその気になってしまうのです。

 さらに、点検のあいまに下取り査定に出して新しいアルファード/ヴェルファイアへのお乗り換えをご提案すると、さっそくその日の晩に家族会議…となる方もいらっしゃいます。

 あるオーナーさまがおっしゃっていた『アルファード/ヴェルファイアには中毒性がある』のひと言が強く印象に残っています。

 高級車らしい質感や、ご家族やご友人などの同乗者が喜んでくれる。さらには手放すときに損をしない。

 こんなクルマは他になかなかないとおっしゃるんですね。このご意見には私も同感です」

 また、別のディーラーではユーザー像について聞いてみました。

「お子さんがいらっしゃる会社員の方、自営業の方も多いですね。年齢層でいうと、30代後半〜60代がメインでしょうか。なかには20代でお持ちの方もいらっしゃいます。

 多くの方は残価設定ローンを組まれますが、最上級モデルであるエグゼクティブラウンジとなると、現金でポンと買われる方も多いです。

 このエグゼクティブラウンジを選ばれるお客様は『別格』というか、多くの場合、迷いがないですね。価格云々よりも、これはいいと思ったら即断即決です。

 書類の引き取りなどでご自宅に伺うと、ガレージのなかにはスーパーカーが何台も…といったお客様も少なくありません。

 いわゆる『富裕層』に属されるお客様にもご支持いただいることを実感しています」

 このようにアルファードとヴェルファイアは、クルマとしての出来栄えに関してはオーナーとなった人を虜にする魅力があるのは確かです。

 そうでなければ、これだけの高級車が飛ぶように売れることはないでしょう。

 特に現行モデルでは、VIPの乗るいわゆるショーファーカーがミニバンへと進化したこともあって、最上級のもてなしと気配り装備、さらにはステータス性も獲得しました。

 もちろん人気モデルということもあって、食わず嫌いをする人もいるかもしれませんが、実際には1度でも乗ってしまったら「あれはいいモノだ」と認めざるを得ないクルマであることは確かなようです。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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