ホンダ最新型「インスパイア」公開! “ベンツ風”グリル採用!? フロントミッドシップ…じゃない!? 6年ぶり復活してた「上級セダン」中国で発見
ホンダと中国東風汽車の合弁会社「東風ホンダ」は、上海モーターショーで、現行モデルとなるミディアムセダン最新型「インスパイア」を展示しました。どのようなモデルなのでしょうか。
えっ、インスパイア?
「えっ、インスパイア?」6年ぶりに訪れた、中国・上海で開催されるモーターショー「AUTO上海2025」。そのホンダブースに置かれていたセダンに驚きました。

だって“インスパイア”ですよ。インスパイアといえば日本では1989年に初代が登場した「アコード」のお兄さん的存在となる高級セダン。
“5気筒のエンジン”を、FFながら縦置きに積んでいたモデルです。当時さかんに「FFミッドシップ」をPRしていましたが、中学生だった筆者(工藤貴宏)は、「Aピラーとフロントタイヤの間隔が妙に長いうえに、フロントーバーハングが短くてなんだかバランス悪いな」と思い続けていたのはここだけの内緒です。
それはさておき、日本のインスパイアはフルモデルチェンジを重ね、2007年にデビューした5世代目を最後に2012年秋に終了。4世代目と5世代目は実質的に北米向けのアコードでした。
そんなインスパイアに、まさか中国のモーターショーで再会できるとは思いませんでした。ただ、時が流れ13年ぶりに遭遇したそいつのスタイリングはしっかり今どきの雰囲気でしたね。あの中国においてもセダンマーケットが縮小傾向にあるなかで、まさかインスパイアが生き延びていたとは。
なにを隠そう中国におけるインスパイアは、2018年10月に先代モデルを正式発表。2012年秋に日本でその名前が失われてから、約6年のブランクを経て復活していたのでした。
復活したインスパイアのベースは、アコード。レジェンド無きいま、アコードはホンダのフラッグシップセダンとなっています。
とはいえ日本ではハイブリッド専用車だったアコードとは異なりそのインスパイアには1.5リッターターボの“ガソリン車”があったのが非常に興味深いところですね。ただ、残念なお知らせとしては「フロントミッドシップ」ではありませんのであしからず。
そして現行型のインスパイアが登場したのは2023年6月。パワートレインは1.5リッターのターボを積むガソリン車、そしてPHEV(プラグインハイブリッド)の2タイプ。
“PHEV!?”と驚きましたが、実は現行型の中国仕様アコードにもPHEVが用意されているので、その兄弟車であるインスパイアに用意されるのも必然と言えるでしょう。
ちなみに中国では「新エネルギー車」の認定を受けて緑色のライセンスプレートを付けた車両は都市部のライセンスプレート取得制限免除などさまざまな特典を受けられますが、新エネルギー車にはBEV(バッテリー式電気自動車)だけでなくREV(レンジエクステンダーEV)やPHEVも含まれます。インスパイアPHEVはそんな新エネルギー車の扱いとなっているのです。
インテリアは基本的に日本仕様のアコードに準じたものですが、大きな違いはリヤシート。センター部分が大きく倒れ、センターアームレストというよりはセンターコンソールとして使えるのです。これには驚きました。いいじゃないですか。ちなみに日本向けのアコードは、一般的なセンターアームレストです。
現地の合弁企業である東風ホンダにとってはラインナップにおけるもっとも大きく上級のポジションとなるセダンですから、後席に乗る人が重視されるショーファードリブン的な使い方も想定しているということなのでしょう。
しかしながら、筆者がこのインスパイアに関してもっとも驚いたのは顔つき。なんと、パナメリカーナグリル(みたいなデザインのグリル)を採用しているんですよ。パナメリカーナグリルの詳細についてはあえて説明しませんが、実はエンジンがAMG謹製だったりして(違います)。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
これがカッコいいだと?
シビックやなw
ホンダのHマークが付いて無けりゃマツダかと思うデザインセンス(´・ω・`)