レースマシンにドリンク装置? ヘルメットの下で必死の水分補給 暑さと闘う過酷なレースの裏側
表に出てこない小さなこだわりが勝利への道
コストの高騰を防ぐためにテスト回数が制限されるスーパーGTでは、こうしたマイナートラブルも含めて、レースを含めた少ない走行チャンスを活かしながら様々なことを確認して行かなければならないとのことでした。
しかしこのドリンク装置、ホースの長さ以外は最新式だと感じました。特に感心したのは、ヘルメットから伸びるドリンク用チューブに着いたアタッチメントです。これはチームが独自に作った装備で、その先端に強力なマグネットアタッチメントを付けることで、簡単かつ正確にホースをつなぐことができます。
コース上でドライバーが必死になってタイムを削って行くのがレースです。しかしこのタイムも、ピット作業でミスをすると、何秒もの時間が簡単に失われてしまいます。
こうした緊迫した状況のなかでも、ドライバー交代のような作業をスムーズにしてくれる装備は、大きな助けとなります。
実はこうした、なかなか表に出てこない小さな積み重ねが、チームを勝利へと導いて行くのです。
【了】
Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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