標高2000mの「暗いトンネル」を力強く走る… トロリーバス廃止後の「立山黒部アルペンルート」に新顔登場! BYDの電気バス「K8」とは
富山と長野の間にある標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」が2025年も4月15日から全線開通しました。そのなかで、2024年に廃止されたトロリーバスに代わる電気バスが今回お披露目されました。
中部山岳国立公園を貫く山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」に、新たな電気バスが登場
2025年4月15日に「立山黒部アルペンルート」を運営する立山黒部貫光は、「立山トンネル電気バス」の運行を室堂-大観峰間区間でスタートしました。

立山黒部アルペンルートとは、総延長37.2kmを富山と長野の間にある標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルートの総称。
ここでは、鉄道、ケーブルカー、バス、ロープウェイなどの乗り物を乗り継いで移動することが特徴です。
そのなかで、室堂(標高2450m)-大観峰(標高2316m)の区間は立山黒部貫光が運営しており、これまでは「立山トンネルトロリーバス」が運行されていました。
トロリーバスとは、普通のバスのようにタイヤで走行し、運転操作もハンドルを使用するものの電力の供給を受けて走る乗り物で正式名称は「無軌条電車」となり、法律上も「鉄道」に分類されます。
その立山トンネルトロリーバスは、1996年4月23日の運行開始から29年間無事故で、立山黒部アルペンルートの室堂と大観峰を結んでいました。
2018年以降は「日本最後のトロリーバス」として運行し続け、2024年11月30日の最終運行までの29年間で1992万4千人が利用したといいます。

この区間を走る乗り物として立山トンネルトロリーバスに代わり新たに導入されたのがBYDの大型電気バス「K8」です。
K8の車両規格は車長10,500mm×車幅2,495mm×車高3,270mm、ホイールベース5300mmとなり、乗車定員は都市型(80人)、郊外型(76人)。
パワーユニットは最大出力200(100×2) kWのモーターに容量314kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載。これにより航続距離240kmを実現しています。
なおK8は、インホイールモーターを搭載することで、プロペラシャフトを介さないダイレクト駆動により大型バスでも滑らかに加速となっています。

今回、立山トンネルトロリーバスの運行終了に代わって8台のK8が導入されました。
導入に関して運営元となる立山黒部貫光の担当者は次のように話しています。
「トロリーバスは維持するのが大変で、誕生から年月が経っていることもあり部品の取り寄せなども難しい状況にありました。
また2025年カーボンニュートラルの実現に向けて、中部山岳国立公園内にある立山黒部アルペンルートに相応しくて環境にも良い、そして高地でも問題ない電気バスを導入することになりました」
またBYD商用車部門の執行役員・副社長の石井澄人氏は次のように話しています。
「実はこの立山黒部アルペンルートに導入するというのは今から 4 年ほど前で、実際にクルマを持ち込んで本当に走るのかという検証をしたのが2年半ぐらい前でした。
そうしたこともあり、晴れてK8が実際に走る日が来るというのは非常に感情深いなと思います。
本当にこの地、この環境には電気バスというのはベストマッチですし、日本全国で電気バスを使って我々できることがあるなと思っています。
これからも日本のカーボンニュートラルに向けて、我々も頑張っていますので、是非応援いただきたいなと思います」

※ ※ ※
今回、4月15日の運行開始日には富山県側の玄関口となる立山駅に国内外から多くの観光客が足を運んでいました。
しかし、美女平-室堂の区間で大雪の影響により「立山高原バス」が終日運行に。
そのため記念セレモニーは中止となりましたが、実際のK8が走る様子を見ようということで、富山から長野側の玄関口となる扇沢に移動。
そこからケーブルカーやロープウェイを乗り継ぎ、室堂と大観峰の区間でK8に乗ることが出来ました。
実際に乗った印象としては、「静かで力強い加速感を味わえる」というもの。
車内は街で見かける路線バスと同じように座席が並び、降車ボタンもそのまま。また全席にUSBポートが備わるなど使い勝手にも配慮されていました。
そんな立山黒部アルペンルートの営業期間は4月15日から11月30日までを予定しています。
国産じゃないのがショックだなぁ。
まぁこのご時世一から設計・納品まで出来る体力ある国内企業が無かったのかもしれないが。
黒四の顔になってくれる様に祈ってるぞ。
なぜエルガEVやEVモーターズJPの車両にしなかったのだろうか。
中国メーカーというのは残念。
国産の「いすゞ(Jバス)」がEVバスを量産化したのは「2024年11月」。その前の2022年から「BYD」がテスト運行しているから、国産の導入は無理。地方でも、EVバスを導入しているが、中国メーカーや中国メーカー系列の日本のメーカー。それだけ、日本国内での実績を積んできているから、中国系列のメーカーが優位になってしまう。