満タン後「継ぎ足し給油」は「絶対NG」! 禁止の理由は? 「今までやってた」「知らなかった…」の声も!? “習慣的”にやりがちな「危険すぎる行為」 どんなリスクがあるのか
クルマの給油中、満タンになると「オートストップ機構」が働いて自動停止しますが、そのあとに何度かオートストップ機構を働かせて「つぎ足し」するように給油するという人がいます。しかしこれは禁止行為です。SNSでも驚きの声があがっています。
「つぎ足し給油」ダメです!
セルフ式のガソリンスタンドで給油する際、満タンになるとカチンと音がして自動停止する「オートストップ機構」があります。
ただし、オートストップ機構が働いても、まだタンクが満たされていないように思えることから、何度かオートストップ機構を働かせて「つぎ足し」給油する人もいるでしょう。
しかし、これはガソリンスタンドにおける「禁止行為」なのです。これについて、SNSなどでは驚きの声が多数寄せられています。

ガソリンスタンドのスタッフはつぎ足し給油について、以下のように話します。
「燃料の吹きこぼれが発生し、危険な状態になりやすくなります。うっかりあふれさせるだけでなく、燃料が波打っていて、意図しない吹きこぼれが発生する可能性もあるのです」
オートストップ機構は、給油ノズルの先端にある検知部分が、タンクに満たされた燃料に浸かることで給油を停止するように作動します。そのため、オートストップ機構が作動した時点で、ノズルの先端まで燃料が満たされています。
さらに追加でつぎ足し給油しようとすると、溢れたり、吹きこぼれる可能性が非常に高いのです。
また、何度もノズルを動かすことが別の危険をおよぼす可能性もあるといいます。
「給油口をスタンドから出し入れすることや、複雑な操作を繰り返すことで、静電気が発生し、引火の危険があります。引火を防ぐ意味でも、燃料の水面まである程度の距離を確保することも大切です」(同スタッフ)
オートストップ機構が作動すると、満タン状態を確かめたくなってノズルを引き抜いたり、あるいはノズルを持ち上げて給油口いっぱいまで燃料を入れる人もいますが、こうした操作は燃料の引火を招くおそれがあり、最悪の場合火災につながることがあります。
さらに、給油口から燃料の液面が見える状態まで超満タンにすると、走行中に吹きこぼれる可能性や、燃料蒸気の排出口から溢れ出る場合もあり、非常に危険です。
セルフ式のガソリンスタンドでは、つぎ足し給油を禁止事項として給油機に書かれているほか、給油時のアナウンスで案内していることもあります。
ただし、実際にはこうしたつぎ足し給油を何度も行っているという人が多く、SNSなどでは「知らなかった」「今までずっとやっていた」という人も多いようです。
いっぽう、「満タンになっていないのに給油がストップすることがある」「ガンのノズルを深く入れて給油するとストッパーが反応して給油がスムーズにできませんでした」「オートストップがすぐに作動して満タンに入らない事が多いです」という声もあります。
クルマによっては、給油口から燃料タンクまでのパイプ(フィラーパイプ)の形状が特殊で、スムーズに燃料が入っていかなかったり、燃料タンク内の空気の抜けが悪い場合もあります。
こうした状況では確かにオートストップ機構が誤検知し、満タンになっていないのにも関わらず、自動停止してしまいますが、この場合はノズルのレバーを浅く握り、給油の流量を少なくすることが大切です。
何度もオートストップ機構を作動させると、燃料が波打ち、かえって逆効果です。
※ ※ ※
ちなみに、つぎ足し給油以外にも、セルフ式ガソリンスタンドで禁止されていることがいくつもあります。
当然、タバコやライター、電子タバコなどの火気類は一切厳禁です。これは燃料が非常に引火しやすい可燃物であり、少しの火気でも大火災につながる可能性があるためです。
なかでもガソリンは、極めて揮発性の高い(液体から気体になりやすい)特徴があります。給油中に給油口のまわりを見ると陽炎のようにモヤモヤするのは、ガソリンが気体になった証です。
これに少しでも火気があると、大爆発を起こす可能性があります。
またスマートフォンやそのほか電子機器の使用は、給油に集中できないため、厳禁です。
さらに、エンジンを始動したまま給油することもNGです。先出の通り、ガソリンは揮発性が高く、エンジンの熱や火花が火気になり、引火を招く危険があります。
そして給油前には「静電気除去シート」に触れておきましょう。乾燥していると静電気を感じることがありますが、こうした少しの静電気でも火災の可能性があります。
給油という行為は本来、引火しやすい「危険物」を扱うリスクのあるものです。
日常的に行うことから、その危険性について忘れてしまいがちですが、自身だけでなく他人を巻き込んだ大惨事を招く可能性がある作業として、今一度正しい給油方法を認識するといいでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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