2025年3月31日、警視庁世田谷警察署は格闘家や実業家として知られるRIZINファイターの皇治選手を道路交通法違反（当て逃げなど）の疑いで書類送検しました。

　では、この事案に対してはどのような反響が寄せられているのでしょうか。

　皇治選手は2024年12月下旬の未明、東京都世田谷区の片側一車線の道路においてフェラーリを運転し、ハンドル操作を誤って街路樹や街路灯に衝突する物損事故を起こしたものの、警察に申告せず立ち去った疑いが持たれています。

　事故当時同乗者はおらず、クルマのフロント部分が大破しましたが、本人に怪我はありませんでした。

　なお、運転していたクルマは皇治選手が代表を務めるスポーツジム運営会社名義のもので、事故現場に残されていたということです。

　この事故を受けて、ジム運営会社の株式会社TEAM ONEはX（旧Twitter）の公式アカウントで声明を出し、謝罪の上、皇治選手が事故現場を離れた経緯について以下のように説明しました。

「事故当時、車両は自走不能となり、本人はすぐに複数のスタッフに連絡を試みましたが、連絡がつかない状況が続き、また、保険会社の連絡先もその場で把握できなかったため、本人は保険会社の連絡先が事務所にある可能性を考え、車両を現場に残して事務所へ移動いたしました」

　さらに事故の捜査状況に関しては「その後、警察から本人に連絡があり、出頭要請に応じて速やかに対応しております。

　また、飲酒検査・薬物検査を含む必要なすべての手続きに協力し、いずれの検査においても問題は確認されておりません」と話しています。

　そして皇治選手本人も3月31日、自身のYouTubeチャンネルで「心配・ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と題した謝罪動画を公表しました。

　同動画では「先にレッカー移動をしなければという気持ちだった」、「レッカー会社や保険会社を分かっていなかった。書類が事務所にあるだろうと思った」、「調べていたら警察から連絡があった」などと事故後の状況を説明しています。

　また動画内では「1番疑われたのはシャブ（覚せい剤）。薬とアルコールの検査をして検出されなかった」と語ったほか、今後について「点数や罰金があるかもしれない」、「免許を返納しようと思います」などと話しました。

　この動画に対しては「全然悪いことしてる意識も反省もしてないな、ヘラヘラしてる」、「普通は事故起こしたらその場ですぐ警察に電話します」、「飲酒運転を疑われても仕方ない」など、厳しいコメントが相次いでいます。

　加えて動画の後半では皇治選手が自身の著書の出版についてPRする場面もあり、「YouTube史上最悪の釈明動画で草」、「これ流石にやばいだろ。なんで事故して本宣伝してんだよ。スタッフも大丈夫か？？」といった批判の声が寄せられました。

　交通事故が発生した場合にドライバーが取るべき対応については、道路交通法第72条で次のように定められています。

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・直ちに車両等の運転を停止すること
・負傷者を救護すること
・道路における危険を防止する措置を講じること
・警察官に事故の発生日時や場所、死傷者・負傷者の数、負傷の程度など、事故の詳細を報告すること
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　上記の「道路における危険防止措置」とは、破損したクルマの部品を道路上から取り除いたり、他の通行車両に事故を知らせたりする措置のことをいいます。

　これを怠ると「危険防止等措置義務違反」として1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられるおそれがあります。

　また事故が発生した場合は人身事故、物損事故にかかわらず、必ず警察に通報しなければなりません。

　警察に事故の報告をしなかった場合は「報告義務違反」として、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

　今回の皇治選手の事故については、クルマを事故現場に放置したことが危険防止等措置義務違反に、すみやかに警察へ通報しなかったことが報告義務違反に該当したものとみられます。

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　当て逃げをした場合、刑事罰だけでなく行政処分として「危険防止等措置義務違反」の5点や「安全運転義務違反」の2点など、違反点数が加算されるケースもあります。