ホンダの「プレミアムSUV」なぜ密かに人気? 輸入車みたいな高級デザインに「シビック譲り」の走りがスゴい! 「ZR-V」どんなモデル?
ホンダの高級クロスオーバーSUV「ZR-V」は少々ニッチな存在ですが、実は堅実に売れています。どのような魅力があるのでしょうか。
「シビック」ベースのSUVとして誕生した「ZR-V」とは?
ホンダのSUVはキャラクターが立っている個性派が多い印象ですが、ワイルドなデザインの格安SUV「WR-V」やスタイリッシュなクーペSUVの「ヴェゼル」に加え、高級路線のクロスオーバーSUVとして「ZR-V」がラインナップされます。
一方で、ミドルクラスSUVの兄貴分「CR-V」は「e:FCEV(燃料電池車)」のみとなったことから、通常仕様ではZR-VがホンダSUVの最上級モデルとなります。

このZR-Vは、SUVと聞いてイメージされる「無骨さ」や「アウトドア感」がほとんどない、都会的なプレミアムSUVという立ち位置なのですが、ニッチな存在ながら販売面は好調で、安定した人気を確保しています。
ZR-Vは一体どのようなところが魅力なのでしょうか。
ZR-Vは、大型グリルもルーフレールも樹脂製のオーバーフェンダーもないスラっとしたスタイリングですが、実際は全長4570mm×1840mm×1620mmという立派なサイズを誇ります。
使用されるプラットフォームは「シビック」と同じ。搭載されるパワートレインは、1.5リッターVTECターボと、2リッター直噴エンジン+2モーターのハイブリッド「e:HEV」があり、どちらにも2WDと4WDが設定されています。
エクステリアに関しては、ゴテゴテ感がなく、輸入SUVを意識したような高級感のあるデザインを採用。最低地上高の高いSUVでありながらも空力を意識したボディとなっていることは、意外に知られていないかもしれません。
また、シビックベースということから卓越した走行性能を有しているほか、各所にCR-Vで培った技術で振動を減らしたり、遮音性も向上させるなど、プレミアムSUVらしい工夫も施されています。
実際にネットの声でも「フロア下の処理が丁寧で感心した」や「写真で見るより実車は押し出し感がある」など、好意的な意見も多いようです。一方で、流麗な形状が影響し「車両感覚(特にフロント)が掴みにくい」という意見もありました。
一方で、一部のユーザーからは「輸入プレミアムSUVのデザインに似ている」との指摘を受けることもありますが、空力やパッケージングを考慮した過程でベストな形状が似通ってくるのは致しかたないとも言えます。
実際に販売の現場での評判はどうなのでしょうか。
ホンダの販売店スタッフに話を聞いてみたところ、写真より実車を目の前にしたほうがユーザーの反応は良いと言います。
「見た目は華美な部分が少ないので、カタログを見ただけでは反応が芳しくないのですが、ショールームで実車に触れていただくと評価が上がる傾向があります。
インテリア自体はシビックに近い直線基調の造形ですが、質感の高さはご納得いただけているようです」
また後部座席の広さはヴェゼル以上。着座位置が低いという指摘はあるものの、プレミアムSUVとして十分な広さを確保しています。
ラゲッジスペースは395リットルと、このクラスではちょっと小さめで、デザインが秀逸と好評の「CX-30」でも430リットルを確保しているので、もう少し大きい荷室が欲しかったという正直な意見もありました。
それでも、プレミアムなクーペSUVとして結構人気を博しており、社外品のカスタムパーツも出回っています。
なかでもSUVとしては低めのフロント下部にリップスポイラーを装着するという、SUVなのに低く見せるカスタムが定番。走りの質が高いことでも評価されるZR-Vだけに、スポーティ路線が人気となっているようです。
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プレミアムSUVは、実は日本ユーザーが好きなジャンルだったりします。
320万8700円から437万9100円(消費税込)と少々高めの価格設定でも、高級感があって、オシャレかつスポーティなSUVということもあり、ZR-Vが人気車となっていることも納得できるでしょう。
厳密には、シビックとプラットフォームが同じ部分はバルクヘッドより前だけなんだけどね…
そこから後ろは新型CR-Vベース。