「うわぁー! 虫がクルマに入ってきた!」 パニックになる人も!? 知っておきたい“効果的”な方法は? 嫌な虫を外に追い出す「平和的解決策」って?
気づかないうちに車内へ侵入してくる虫たち。春のドライブを快適に楽しむために、知っておきたい対処法とは何でしょうか。
小さな訪問者に“平和的解決策”を!
気温が上がってきた春、窓を開けて爽やかな風を感じながらドライブしたくなる季節ですが、そんなとき思わぬ“侵入者”に悩まされることがあります。それが「虫」です。

クルマを運転していると、季節や時間帯、場所によって、車内に虫が入り込んでくることがあります。
たとえ窓を閉め切っていても、知らないうちに小さな羽虫が入ってきたり、窓を開けた瞬間にハチやアブといった、刺されると危険な虫が入り込んだりすることもあります。
そのまま放置すると、運転に集中できなかったり、驚いて急なハンドル操作をしてしまい、事故の原因になることも。特にハチが車内に入ってくると、刺されるリスクだけでなく、パニックによる運転ミスにもつながるため、十分な注意が必要です。
虫が入った際、手で追い払おうとするのは避けたいところです。虫を潰してしまうと、体液やりん粉(羽についている粉)がシートや内装に付着し、放置しておくと硬化して落としにくい汚れとなり、内装の素材を傷めてしまうおそれもあります。さらにハチなど攻撃性のある虫は、手を出すことで刺激してしまい、刺される危険性が高まります。
また、車内で殺虫剤を使うのは注意が必要です。スプレータイプは高温になる車内に置いておくと破裂する危険性があり、使用する際も密閉空間の中で吸い込んでしまうリスクがあります。どうしても使う場合は、必ず車内専用の無香料タイプなど安全性の高い製品を選びましょう。
では、虫が入ってきたときにどう対応するのが安全なのでしょうか。
もっともおすすめなのは「風の流れで追い出す方法」です。たとえば、刺される危険性が低い羽虫などであれば、窓を開けてしばらく待つだけで外に出ていくこともあります。うちわやタオルなどでやさしく風を送ってやるのも効果的です。
一方で、ハチやアブなどの大型で攻撃性のある虫に対しては、うちわなどであおぐと刺激してしまう可能性があります。そうした場合は、「窓全開走行」が有効です。これは、すべての窓を開けてそのまま走行し、車内に風の流れを起こすことで自然に虫を外へ誘導する方法です。高速道路である必要はなく、一般道でも数十秒から数分走れば多くの場合で虫は外へ出て行きます。出ていったのを確認したらすぐに窓を閉めましょう。
もし走行中に虫を追い出すのが難しい状況であれば、ビニール袋などを使って虫を捕獲して外に逃がす方法も有効です。虫あみのように使えば、車内を汚すことなく安全に処理できます。捕まえた虫は、再度侵入しないよう車から離れた場所で放してあげましょう。
このような事態を未然に防ぐには、普段からの虫よけ対策も効果的です。ドアミラー周辺に貼る虫よけシールや、エアコン吹き出し口に取り付ける芳香タイプの虫よけ、吊り下げ型の忌避剤など、車内専用の商品も多数販売されています。夜間の停車時には、車内灯を点けたままにせず、虫を引き寄せない工夫も忘れないようにしましょう。
さらに、虫の被害は車内だけではありません。春以降の暖かい季節は、ボディへの虫の衝突や付着による汚れも増えてきます。バンパーやサイドミラーに虫が潰れてこびりついてしまうと、見た目の問題だけでなく、塗装を傷める原因にもなります。
虫が付着した際は、できるだけ早く水やぬるま湯でやわらかくして、柔らかい布で拭き取るのがポイントです。すでに汚れが硬くなってしまっている場合は、専用の虫取りクリーナーを使って丁寧に落としましょう。事前にワックスやコーティングをしておくと、虫がつきにくくなり、汚れも落としやすくなります。
春はドライブが楽しくなる季節ですが、快適な車内環境を保つためには、こうした「小さな訪問者」への備えも大切です。虫を過度に恐れる必要はありませんが、落ち着いて対処できるよう、知識と準備を整えておきましょう。
無視すればよい