山形~宮城の新たな高速「石巻新庄道路」計画具体化へ!? 国が検討区間を発表 県境の難所「瀬見~中山平」で先行整備 「高速空白地帯」悲願の解消なるか
宮城~山形の新たな高速「石巻新庄道路」が、今回新たに、具体化に向けた検討段階へ入ることになりました。いったいどんな道路で、開通すればどう便利になるのでしょうか。
「高速空白地帯」に念願の東西軸
国土交通省 東北地方整備局は2025年4月1日、2025年度の予算計画を発表。
そのなかで、山形~宮城をつなぐ新たな高規格道路「石巻新庄道路」について、県境部「中山平~瀬見」の具体化に向けた検討を始めていくとしています。

石巻新庄道路は、新庄市から古川を経由し、石巻市までをつなぐ高規格道路です。
「国道108号」および「国道47号」のバイパスとして、高架・トンネルなどにより大型車もスムーズに通行できる交通ネットワークを実現します。
JR陸羽東線やJR石巻線に相当するルートで、全通すれば日本有数の石巻周辺の港湾地区までのダイレクトアクセスを担うこととなります。
2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」にもリストアップされている計画ですが、今のところ全区間が未事業化で、概略ルートすら全く決まっていません。
そんななか、2024年度の計画で初めて「県境部付近など現道課題の多い区間の計画の具体化に向けた検討を、関係自治体と連携して進めます」という記載が追加され、整備への第一歩を踏み出しました。
そして今回の2025年度計画。記述はさらに詳細になり「防災面も含めた現道課題の多い県境部付近(中山平~瀬見)の計画の具体化~」と、検討区間が地名付きで明言するに至りました。
この区間は、新庄市街からひとつ山越えをした先の瀬見地区から、最上町の盆地を抜け、県境の峠を抜けて、最初の市街である中山平温泉までが含まれます。延長としては約25kmです。
山形県内では道路冠水や土砂流入などに苦しめられる区間で、宮城県内に入った途端、ストンと落ちるような急勾配や「七曲り」と呼ばれる連続カーブが事故多発区間となり、特に冬はスリップや立ち往生を招く難所になっています。
まずはここを確実に安心して通れる高規格道路にすることにより、緊急輸送道路としての最大の課題解消を図ります。
事業化に至るまでのプロセスは、まず「計画段階評価」で概略ルートを確定し、都市計画決定や環境アセスメントなどの手続きを経て、事業化を待つ段階になります。
計画段階評価のスタートにあたっては、予算計画で別途明記されるため、今回のリストアップは「計画段階評価を本格化するための準備段階」に入っているという段階と言えます。1年後、あるいは2年後に評価対象へ昇格しているのか、動向に注目です。
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このエリアの東西軸の高速道路は無く、北は横手~北上をむすぶ「秋田道」、南は山形~村田をむすぶ「東北横断道」で、約120kmにわたって「高速空白地帯」の状況です。石巻新庄道路には、地元からも期待がかかっています。
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