スバル新型「フォレスター」走りの進化とは? “真のSUV”になった「6代目」の実力やいかに
真のSUVになった新型フォレスター
では、次は走りの違いに話を移しましょう。今回試乗したのは、2.5リッター+2モーター方式ハイブリッド[S:HEV](ストロングハイブリッド)搭載のPremiumと、1.8リッター DIT(ターボ)搭載のSPORTの2種類です。
さらに、現行のマイルドマイルドハイブリッドを比較試乗車として乗りました。

比較その1は、ストロングハイブリッド(S:HEV)とマイルドハイブリッド。ストロングハイブリッドは、モーター出力が大きくなったことで出足が良いのは当然ですが、大きな違いはハンドリングです。
ハンドルの少ない操舵角度で、クルマ全体がスゥーと曲がり、そのままグイグイとコーナーイン側に吸い込まれるように曲がります。
パワーユニットとして比較するとその差は約50kgあるので、ストロングハイブリッド搭載車は動き全体にそれなりに重さは感じるものの、前後バランスはとてもよく、かつ直進安定性を重視した、高速クルーザーという安心感がはっきり分かります。
「フォレスターがついに、真のSUVになったな」と感じました。
比較その2は、新型のストロングハイブリッドと1.8リッター DIT(ターボ)の比較です。
パッと乗って、すぐにその差は分かります。軽さの運動特性に対する影響力が絶大。重量で約100kgという差は、背の高いSUVではクルマの運動特性が大きく変わるのは当然のこと。
1.8リッター DITは、その軽さを活かして思う存分に振り回して走れる楽しいクルマです。一方で、ストロングハイブリッドは前述のように、ジェントルにそしてドッシリと構えて走るクルマだと言えます。

そして、比較その3は、1.8リッター DIT搭載の新旧「SPORT」比較です。
筆者(桃田 健史)は現行SPORTを日常的に使っており、今回の試乗会にも現行SPORTで向かいました。
感じたのは、「本質は変わっていないのでホッとした」ということです。新型では、車体各所で使用する高張力鋼板の割合が高まり、遮音材の追加や、前後サスペンションのセットアップ変更などにより、クルマの走りの基本要素であるNVH(ノイズ「音」、バイブレーション「振動」、ハーシュネス「路面からの突き上げ」)ではっきりとした改善を実感できます。
それでも、楽しく思い切り走れるSPORTとしての商品特性の軸はぶれていませんでした。
そんな新型フォレスターですが、やはり気になるのは価格上昇です。現時点で判明しているのは、SPORTでは約55万円、X-BREAKで約88万円もの違いが生じます。
クルマの基本性能アップのほか、各種機能の標準装備化によるものですが、新旧を乗り比べてみて、その差は十分理解し得るものという感想です。
今後は、新型フォレスターを公道でじっくり走らせてみたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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