「ハイエース」が無いなら「キャラバン」を買えば良いじゃない? 日産の「ワンボックス」が密かに人気! “絶対王者”からユーザーが流れている意外な事情とは?

キャブオーバータイプの「ワンボックス」といえば、トヨタ「ハイエース」が圧倒的に人気です。しかし、ここへきて、日産「キャラバン」にユーザーが流れているようです。何があったのでしょうか。

「キャラバン」の需要増加の理由とは?

 いわゆるキャブオーバータイプと呼ばれる「ワンボックスカー」は、昔は各自動車メーカーがラインナップしていましたが、現在はトヨタ「ハイエース」と日産「キャラバン」の2車種に集約されています。
 
 そのため、この2車種はライバル関係となっているのですが、正直なところハイエースの方が人気は高いというのが今までの流れでした。
 
 しかし近年キャラバンへの需要が高まっているといいます。一体なぜなのでしょうか。

10人乗れるモデルもアリ!?
10人乗れるモデルもアリ!?

 首都圏の日産ディーラーによると、キャラバンはもともと安定した販売が続いている車種だったということですが、ここにきて受注が増えてきているのは事実とのこと。

 これはライバルであるハイエースの受注が長らく停止状態となっていたことも影響しており、「仕事でクルマが必要」というようなユーザーがキャラバンへ流れてきている状況のようです。

 また、ハイエースは海外からの人気も高く、輸出で高く売れるということもあってか車両盗難の標的となるケースが非常に多く、仕事で車両を使用しているユーザーからはあえて盗難のターゲットになりにくいキャラバンを選ぶということもあると言います。

 もちろん車両に関しては車両保険などを付けているユーザーがほとんどですが、仕事で使っているケースでは車内に仕事道具がギッシリ詰まっていることも珍しくなく、車両と共に仕事道具まで盗まれてしまうと仕事もできなくなってしまうため、ダメージが甚大という理由もあるのです。

 この辺りはキャラバンを選ぶ理由としては後ろ向きのものですが、もちろん前向きな理由もあります。

 それがパワートレインで、キャラバンは2022年2月のマイナーチェンジでディーゼルエンジンを新開発の2.4リッターターボエンジンへと変更し、トランスミッションも7速ATと多段化されました。

 この2.4リッターディーゼルエンジンは、最高出力97kW(132PS)・最大トルク370Nm(37.7kg・m)という出力を誇っており、ハイエースの2.7リッターディーゼルターボエンジンの最高出力111kW(151PS)には劣っているものの、最大トルクはハイエースの300Nm(30.6kg・m)を大きく上回っているのです。

 トルクの大きさは荷物を満載したときの走りに大きく影響する部分であり、さらにキャラバンは多段な7速AT(ハイエースは6速AT)ということで、走行性能の面でキャラバンを選ぶユーザーも少なくないというわけです。

 またキャラバンには「MYROOM」という車中泊モデルが2023年10月に発表されており、メーカー純正のハイクオリティな仕様をディーラーで購入することができるというのも人気の一翼を担っているようです。

※ ※ ※

 このように、前向きな理由でもジワジワと人気を高めている日産キャラバンですが、実は、販売会社に話を聞いたタイミングでは受注停止となっているとのこと。

 そのため、こちらも受注再開が待ち遠しい状態となっています。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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