トヨタの斬新「“4人乗り”FRオープンカー」がスゴかった! 流麗ボディ×2リッター「ボクサーエンジン」でめちゃ楽しそう! 市販化“前提”だった幻の「FT-86オープン」コンセプトとは
2013年に発表された「FT-86オープンコンセプト」は、トヨタ「86」をベースにオープン化した4シーターコンバーチブルです。どのようなクルマなのでしょうか。
トヨタの人気FRスポーツカーをオープン化!
トヨタは2013年のスイス「ジュネーブモーターショー」で「FT-86オープンコンセプト」を公開しました。
車名の通りFRスポーツカー「86(ハチロク)」をオープン化したもので、今なお市販化を望む声もあるようです。

86は2012年に初代モデルが登場。2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高出力200PSを発揮。軽量かつFR(フロントエンジン・リア駆動)のレイアウトによって、純粋なドライビングプレジャーを提供するスポーツカーとして高い評価を受けました。
そんな86をベースに、FT-86オープンコンセプトは電動開閉式のソフトトップ仕様へ変更。
ベースとなった86の流麗なスタイルを損なうことなくコンバーチブル化を実現し、ホワイトを基調とした内装にはネイビーブルーとイエローゴールドのアクセントが施され、スポーティかつ華やかな印象を与えます。
またインパネ中央に装備された3連メーターも、スポーツカーらしいディテールとして目を引きます。
座席レイアウトはベースモデルと同じく2+2の4人乗り仕様であり、後席が確保されている点は、実用性を重視するユーザーにとって魅力的なポイントでした。
また、FT-86オープンコンセプトは、86が持つ2リッター・FRレイアウトをそのまま採用しており、優れたハンドリングを実現するため、軽量化や剛性確保の工夫が施されています。
スイスでの世界初公開後、日本でも同年秋に開催された第43回「東京モーターショー2013」でも再展示を実施し、当時大きな話題を呼びました。
デザイン面では、ジュネーブモーターショーで披露されたホワイトのモデルに対し、東京モーターショーでは「フラッシュレッド」のボディカラーが採用されるなど、より鮮やかでスポーティな印象を演出しました。
この赤いボディカラーは通常の市販モデルの赤とは異なる特別な色合いとなっていましたが、実はジュネーブモーターショーでの展示車両の塗り替えではなく、ハンドル位置も異なる別の個体だったのです。
このように複数の試作車が製作されたことからもわかる通り、トヨタとしても市販化を目指していた模様です。
86のスポーツカーとしてのコンセプトを活かしたオープンモデルとして大いに期待されたものの、最終的にデビューを果たすことはかないませんでした。
86はその後2021年に「GR86」として2代目へ進化し現在も販売されていますが、これまでのところオープンモデルの市販化は実施されていません。
現在もなおSNSなどに「オープン仕様の86が欲しい」という声が上がっていることを考えると、トヨタがこの需要に応えるかどうかが今後の注目点となりそうです。
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