日本はなぜ右ハンドル? 日本における「左側通行」のルーツとは
ひと昔前までは「左ハンドル」は輸入車の象徴といえました。しかし、近年では右ハンドルの輸入車が導入されるケースが多くなっており、「右ハンドル=国産車」という図式は必ずしも正しくありません。ではなぜ、日本は左側通行&右ハンドルを採用したのでしょうか?
日本における「左側通行」のルーツとは?
クルマには必ず運転席がありますが、子どものころ、ハンドルの付いている位置を見ては「あーっ、これ左ハンドル、スゲエー!」なんて言ってたこと、ありませんか?
日本国内の道路は左側通行です。車体の右側に運転席があったほうがすれ違い時や右折時などに視界が広く、それゆえ日本の自動車メーカーが国内で販売する車両はすべて進行方向に対して右側に運転席のある「右ハンドル車」です。
いっぽう欧州やアメリカなどは反対の右側通行方式を採用しているため、各国の自動車メーカーは「左ハンドル」の車両が多く、日本国内へ輸入車として導入される場合もそのまま販売されていたため「左ハンドル」は輸入車の象徴といえました。
しかし近年の欧州輸入車は、右・左ハンドルを選択できる車種が増え、使い勝手から右ハンドル車を購入する人が多くなっています。こうなると「右ハンドル=国産車」という図式は必ずしも正しくありません。ではなぜ、日本は左側通行&右ハンドルを採用したのでしょうか?
日本国内の道路においては、「車両は道路の中央から左側を通行しなければならない」と、道路交通法に定められています。この道路交通法は1949年(昭和24年)に施行され、現行法は1960年(昭和35年)に施行されたもの。しかし日本における「左側通行」のルーツは、自動車が普及し始めてからのことだったのでしょうか。
これについて日本自動車連盟(JAF)に聞いてみたところ、「道路における往来の『左側通行』が明文化されたのは明治時代です。1881年(明治14年)に道路の通行方法を警視庁が通達したことが始まりです。『人力車がすれ違う場合には左に避ける』と、車両の左側通行が規定されました。
さらに1900年(明治33年)には、警視庁が『道路取締規則』を制定します。『諸車牛馬は車馬道の左側を通行し、左右の区別がない道は中央を通行すること、また歩行者はみだりに車馬道を通行しないこと』などが明記されています」
日本国内では自動車が普及するずっと以前から、「左側通行」がベースとしてあったようです。