さて、気になる完成予定ですが、今のところ目標を「2027年度」としています。目標通りに完成できるかのカギとなるのが、神奈川県松田町と山北町にまたがる「高松トンネル」です。

　高松トンネルは、東京方面（上り線）が2851m、静岡方面（下り線）が2864mで、新秦野IC～山北SICのあいだの山を貫く長大トンネルです。

　ここで想定外に悪い地質に遭遇し、湧水や掘削面の崩落などのトラブルに悩まされてきました。2024年9月には「過去最大規模」となる「1分間に2.5トン」という大規模な湧水が発生したといいます。排水性能を強化し、掘削が継続しています。

　そんななか、同年11月21日に、6回目の「連絡調整会議」が開かれました。その内容は「周辺環境に配慮し、安全かつ慎重に工事を進めている」とあっさりしたもの。

　もはやトラブルは出つくして、あとはそれらの対策をしつつ、粛々と進めるという段階に入ったことが伺えます。

　ただ、11月時点では上り線トンネルが神奈川県側から1770m、静岡県側から8m完了済みで、下り線トンネルは神奈川県側から1600m完了済み。まだまだ半分を越えたくらいです。

　この先で、また別の想定外の地質に遭遇し、2027年度開通予定は、さらに延期になる可能性も、無いとは言えません。果たして「次なる難所」に当たらずに、無事貫通を迎えることができるのか、工事の動向に注目です。