ホンダの「“ニセモノ”グリル」を没収!? トヨタ“風”そっくりパーツも「輸入できません」 税関が「バッタモン」通関差し止め状況を発表 「偽物は許さない!」水際取締りを強化へ
税関の公式X「カスタム君」は令和6年(2024年)に門司税関(北九州市門司区)を通関しようとした知的財産侵害物品の差し止め状況を発表しました。没収されたものにはホンダのエンブレム付きの偽物もあったようです。
パチモンは片っ端から“没収”です!
税関の公式X「カスタム君」は2025年3月7日、令和6年(2024年)に門司税関(北九州市門司区)を通関しようとした「知的財産侵害物品」の差し止め状況を発表しました。
なかには自動車パーツも含まれていたようです。

門司税関は全国9か所の税関のうち、アジア太平洋地域における“人と物の玄関口”の役割を担っており、九州の東側および山口県全域を管轄しています。
2024年では、商標権や意匠権など知的財産を侵害する偽ブランド品(いわゆるバッタモン)や模倣品の通関を差し止めた件数が4万5375点だったといいます。
前年と比べて21.2%減少したものの、5年連続で4万点を上回り、非常に多数のバッタモンが市場に出回るところでした。
荷物が送られた元は中国が全体の47.4%が占めており、次いでベトナムが過去最高の35%を記録。最も多かった品目は衣類で1万539点。これは前年の約2.5倍で過去最多だったとしています。
このほか靴類やバッグ類、帽子類なども多く見られますが、自動車部品(自動車付属品)としてもバッタモンが多数存在。
近年ではネットショッピングが一般的になり、発送元が国外の品物も手軽に購入できることから、海外製の安価なカスタムパーツを輸入して装着するという人もいます。
しかし、メーカー純正ではないのにも関わらず、そのメーカーのエンブレムを無断使用したり、許諾を得ていないのに同じデザインをそのまま使うことなどは、知的財産を侵害する行為となります。
また、クルマのパーツは通常、走行に耐えうる強度設計がなされているほか、万が一の事故を鑑みて、ケガをさせない構造や燃えた際に有毒ガスが発生しない素材などが用いられています。
一方、バッタモンではコストを極端に抑えて製造していることから、こうした安全設計が全くなされておらず、事故に至った際には非常に危険です。
さらに自動車部品のみならず、すべての知的財産侵害物品は、犯罪組織の資金源になっているとの見方もあり、知らず知らずのうちに犯罪組織へ加担する形になっているのです。
こうしたことから、2021年の商標法および意匠法改正で、海外の事業者が模倣品を郵送等により日本国内に持ち込む行為は、商標権および意匠権の侵害行為となることが明確化。
2022年3月には関税法も改正され、そうした模倣品は一切輸入できなくなりました。
税関でも、2022年10月から模倣品の水際取り締まりを強化しており、個人で使うかどうかに関わらず没収となります。
今回の公式Xの投稿では、差し止めを行ったホンダのエンブレムが付いた偽物のグリルや、トヨタ・スズキの偽物のホーンパッドを公開。
さらに報道発表資料では、TRDのロゴが付されたステアリング、メルセデス・ベンツのエンブレムが付されたホイールなどが通関差し止めされたようです。
公式Xでは「みんなの健康や安全を脅かす偽物は許さないワン!」とし、取り締まりを強めていく方針です。
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税関ではこうしたバッタモンのみならず、不正薬物や拳銃などの社会悪物品、盗難車不正輸出などの水際取り締まりも強化しています。
一般からの密輸情報の提供も呼びかけており、公式の情報提供サイトや密輸ダイヤル「0120-461-961(シロイ・クロイ)」でも受け付けています。