新型「スープラ」は歴代同様にトヨタのイメージリーダーになれるのか?
2018年3月、トヨタがついに次期型「スープラ」と言われるコンセプトカー「GRスープラ レーシング コンセプト」を発表しました。まもなく登場する新型スープラを前に、これまでの歴代スープラを振り返ってみます。
登場間近! トヨタ・スープラの歴史を振り返り
2018年3月にスイスで開かれたジュネーブモーターショー2018で次期型「スープラ」をベースにしたと言われるコンセプトカー「GRスープラ レーシング コンセプト」が登場し、多くの話題を集めました。
まだスープラの市販車版は登場していませんが、今年の秋から冬ごろにかけて何かしらの発表があるのではないかと言われており、ユーザーからの期待も大きい車種と言えます。そこで今回、新型スープラ登場前に、過去のスープラを振り返ってみたいと思います。
そもそも「スープラ」という車名は北米市場で使われていた名前で、1978年に登場したセリカXX(ダブルエックス)の輸出名でした。
当時、北米市場では日産「フェアレディZ」が大人気車種となっており、そのマーケットにトヨタが送り込んだ車種だったのです。
スープラの意味はラテン語で「超えて」や「上に」というもので、その名前からも分かるように当時のスペシャリティクーペであるセリカの上級車種という位置づけ。スポーツカーというよりもグランドツーリングカーという性格が強い車種であり、搭載されるエンジンもすべて直列6気筒でした。
また、当時のトヨタラインナップでは最高級のスポーティモデルでもあったため、七宝焼きのフロントエンブレムや、「T」を模したフロントグリルなど、過去の名車であるトヨタ2000GTのモチーフがちりばめられています。
1981年に2代目へとフルモデルチェンジを行ったセリカXXは、高級スペシャリティカーというジャンルは先に登場していたソアラに任せ、よりスポーティな性格を持った車種へと生まれ変わりました。
「スポーティな直線美」と表現されたデザインの最大のアイコンはリトラクタブルヘッドライト。当時、多くのスポーツカーに採用されていたもので、その姿にあこがれた人も多かったのではないでしょうか?
2代目セリカXXのデザイン以外の特徴を開発関係者に聞いてみると、「装備面では世界初のナビゲーションシステム『ナビコン』を一部車種に設定。これは入力された目的地の方向と距離をマイコンが記憶し、常に正しい方向と距離を表示するもので、現代のカーナビゲーションに比べれば簡素なものでしたが、当時としては画期的なアイテムでした」と語ってくれました。今から37年も前にカーナビのはしりとなる装備を装備していたのです。
日本国内での名前もついに「スープラ」に統一された3代目の登場は1986年。前年にフルモデルチェンジされたセリカが前輪駆動になったことで、スープラはセリカの上級車種というポジションから完全に独立した1車種という形になりました。
開発コンセプトは「ハイパフォーマンス・スペシャリティーカー」であり、サスペンションはトヨタ2000GT以来の採用となる四輪ダブルウィッシュボーンを採用。ポルシェやフェラーリにも対抗しうるリアルスポーツカーを目指して開発がなされた車種だったのです。
デビュー当初は5ナンバーサイズのボディのみでしたが、1987年には輸出仕様と同じワイドボディを追加。1990年にはトップグレードのエンジンを2.5リッターツインターボエンジンの1JZ-GTE型に変更しています。このエンジンは当時の自主規制値いっぱいの280馬力を発生しており、トヨタのMT車としては初の自主規制値到達車でもありました。