全長3.4m! レクサスの「軽自動車並み」モデルに注目! ちょうど良い「5ナンバーサイズ」で4人乗れる「小さな高級車」が凄い! めちゃコンパクトな「LF-SA」コンセプトとは

「LF-SA」は、高級ブランドのレクサスが2015年に発表した、軽自動車のサイズ感で究極のラグジュアリーの具現化を目指したコンセプトカーです。どのようなコンセプトで製作されたのでしょうか。

幅以外はほぼ「軽」サイズの車体に、レクサスの世界観を構築

 1989年、トヨタが北米向けに立ち上げた高級サブブランド「レクサス」。
 
 2005年からは本国日本でもレクサスブランドの取り扱いがスタートして、「L」の文字をかたどったエンブレムを持つモデルが日本の路上を走るようになりました。

超小型のレクサス「LF-SA」(コンセプトカー)
超小型のレクサス「LF-SA」(コンセプトカー)

 レクサスは、BMWやメルセデス・ベンツなどの欧州プレミアムブランドと同様に、さまざまなボディサイズの車種を用意しており、かつてはフォルクスワーゲン「ゴルフ」などと同じCセグメントのハッチバック車「CT」なども販売。

 2024年2月現在では、同門トヨタの「ヤリスクロス」などと同じBセグメントを担う、全長約4.2mの「LBX」が最小モデルとなっています。

 ところが過去にはコンセプトカーではあるものの、さらにグンと小さなレクサスが存在しました。

 それが、2015年のジュネーブモーターショーに展示された「LF-SA」です。

 LF-SAの全長は、なんと約3.4m(3450mm)。幅こそ1.7mありますが、軽自動車規格が全長3.4m×全幅1.48m×全高2m以下のため、ほぼ軽自動車のようなサイズ感です。

 レクサスでは、この大きさを「ウルトラコンパクトクラス」と称していますが、一般的な分け方ではAセグメントに置き換えることができるでしょう。

 ただし、Aセグメントクラスは一般的に買いやすい価格帯のエントリーモデルなどが多く、プレミアムブランドの車種投入はあまり例がありません。

 しかしレクサスは、ウルトラコンパクトクラスにおける「究極のラグジュアリー」や、レクサスの世界観の具現化に挑戦しました。

 LF-SAについて、レクサスは発表当時「日常生活で最新技術による自動化が進む中でも、ドライバー自らが運転する歓びを表現したデザインスタディモデル」と説明しています。

 そのため見所はやはり内外装デザインです。

 フランス・ニースに拠点を置くトヨタ直轄のデザインスタジオ「トヨタ・ヨーロッパ・デザイン・デベロップメント」(通称ED2。EDスクエアと読む)が、企画のみならずモデルの製作まで一貫して担当しました。

 ED2では、レクサスのデザインフィロソフィーである先鋭(Leading-edge)と精妙(finesse)の美を表現する「L-finesse」に沿ってデザインを行いました。

 エクステリアデザインは、見る角度によって表情が変化する彫りの深いボディ造形、フロントエンブレムを中心に放射パターンが彫られたスピンドルグリル、グリルから立体的につながるフロントフェンダー、大きく張り出したリアフェンダー、車両各部に採り入れたアローヘッド形状を採用。

 これにより、レクサスの記号性と斬新さ・大胆さ・力強さ・サイズを超えたプレミアム感・精悍でエモーショナルなイメージを得ることに成功しています。

 インテリアはドライバー中心に設計。大きく弧を描いたダッシュボードは車内を広く見せ、コンパクトカーらしさを払拭しています。

 運転席は固定式として、ステアリングホイールとペダルを位置調整可能としていた一方、助後席へのアクセス性向上のため助手席はスライド可能な構造に。運転席のみ色を変えているのも特徴。

 シート配置はいわゆる「2+2」のため、リアシートの居住性は高くありませんが、シティカーとしての使い方なら十分。そしてリアシートがあるのは、いざという時に心強いものです。

 ところで、レクサスのアルファベット車名にはそれぞれ由来があります。

 例えば前述のLBXなら、「Lexus Breakthrough X(cross)-over」です。そしてLF-SAは「Lexus Future Small Adventurer(未来の小さな冒険者)」を意味します。未来においても運転の歓びを追求するマインドを車名に込めた、とレクサスは説明しています。

※ ※ ※

 LBXの好調な売れ行きや、プレムアムコンパクトが高い人気をキープしているのを見ると、さらに小さなLF-SA、もしくはLF-SAに準じた大きさの「ウルトラコンパクトレクサス」が販売されれば、大きな話題を生むに違いありません。

 今後の動きに期待したいと思います。

【画像】超カッコイイ! これが「めちゃ小さいレクサス」です! 画像で見る(20枚)

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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