2024年「最も多かった交通違反」は何だった? スピード違反&駐禁よりも「めちゃ捕まってる」取り締まりが存在! 最新の「交通違反検挙数ランキング」発表
警察庁は2024年における交通違反の取り締まり状況を公表しました。では、2024年中に「最も検挙された違反」は何だったのでしょうか。
最新の「イチバン捕まってる違反」とは?
警察庁は2025年2月27日、「令和6年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」の統計を発表しました。
では、2024年中に「最も検挙された違反」は何だったのでしょうか。

日々、全国各地で交通違反の取り締まりがおこなわれています。クルマをよく運転するドライバーの中には、これまでに交通違反で検挙された経験のある人も少なくないでしょう。
警察庁の最新の統計によると、2024年中の取り締まり件数は合計514万3671件であり、前年より33万2983件の減少となったものの、1日当たりに換算すると約1万4000件もの違反が検挙されていることになります。
では、一体どの違反が最も多かったのでしょうか。
まず、2024年中に最も検挙されたのは「一時不停止違反」であり、取り締まり件数は117万7924件、取り締まり全体に占める割合は22.9%と、全違反のうち1/4近くを占めています。
「一時停止」の道路標識は基本的に見通しの悪い交差点に設置されることが多く、一時不停止によって他の車両との出会い頭事故もたびたび発生していることから、厳しい取り締まりがおこなわれたものとみられます。
次に多かったのが「最高速度違反」で、取り締まり件数は84万7378件、全体に占める割合は16.5%でした。
超過した速度別の検挙状況は以下のとおりです。
●時速50km以上超過…1万555件
●時速30km以上50km未満超過…11万7495件
●時速25km以上30km未満超過…18万297件
●時速20km以上25km未満超過…27万1648件
●時速15km以上20km未満超過…26万7322件
●時速15km未満超過…61件
上記を踏まえると、時速15km以上~25km未満の速度超過が取り締まりを受けやすい傾向にあるといえます。
また時速15km未満の速度超過に関しては1年間でわずか61件、全体の0.001%程度であり、ほとんど検挙されていません。
これはクルマの構造上、実際に出ている速度と速度メーターに表示される速度には「時速10km前後の誤差」が生じるといわれているため、その事情を考慮し、時速15km未満の超過については積極的な取り締まりがおこなわれていないものと考えられます。
ただし、実際には「時速1kmでも超えたら違反」であり、取り締まられないからといって速度超過をしても良いという話ではないことに注意が必要です。
続いて、3番目に多かったのは「放置違反金納付命令件数」であり、件数は63万5787件、全体の12.4%を占めています。
放置違反金納付命令とは、駐車違反で駐禁ステッカーを取り付けられた際にドライバーが警察に出頭せず、期限内に放置違反金を納付しなかった場合、都道府県公安委員会から出される命令のことです。
つまり、駐車違反の取り締まりを受けた後に手続きをしない人が一定数いるといえるでしょう。
ちなみに放置違反金の支払いを無視し続けていると、最終的にクルマの車検が受けられなくなったり、財産を強制的に差し押さえられたりする可能性があるため注意が必要です。
また4番目に検挙件数が多かったのは「通行禁止違反」の55万1589件で、全体の10.7%でした。
これは、「車両進入禁止」の標識がある場所に進入する、「一方通行」の道路を逆走するといった運転をすると、この違反で検挙されます。
仕事や観光などで、普段通行しない道を利用する場合は、慣れていないことが原因で通行禁止違反をしてしまうドライバーも多く、より慎重な運転が求められます。
そして5番目に多かったのは「信号無視」で、取り締まり件数は40万4034件、全体に占める割合は7.9%でした。
赤色信号はもちろん、赤色点滅信号の前で一時停止しなかった場合も信号無視に該当します。うっかり信号を見落としたり、停止線を越えたりしないように気をつけましょう。
※ ※ ※
上記に挙げた違反のほか、横断歩道を渡っている、あるいは渡ろうとしている歩行者の通行を妨げる「横断歩行者等妨害等違反」や、「座席ベルト装着義務違反」などの検挙数も多い状況でした。
とりわけ事故につながりやすい交通違反に対しては重点的な取り締まりがおこなわれており、日頃から安全運転の意識を持つことが大切です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















































