「多様なエンジニアに来て欲しい」 スバルが新開発拠点を披露! 「SUBARU Lab拡張」って? なぜ渋谷でクルマを作るのか

2025年2月26日に新たに開設した「SUBARU Lab新拠点」の見学会をスバルが開催しました。どのような内容だったのでしょうか。

なぜ渋谷でクルマを作るのか スバルの取り組みとは

 スバルは2025年2月26日に新たに開設した「SUBARU Lab新拠点」の見学会を開催しました。
 
 すでにSUBARU Labの拠点は渋谷で開設しており、今回同エリアで2拠点目となります。その狙いはどのようなものなのでしょうか。

スバルはアップルと協業して横長から縦長のCarPlayを開発していた!
スバルはアップルと協業して横長から縦長のCarPlayを開発していた!

 スバルでは以前からリアルに加えてデジタルでの技術開発を進めてきました。

 なかでも2020年12月にAI開発拠点としてSUBARU Labをクオリティ スモールオフィス「H1O渋谷三丁目」に開設しています。

 ここでは、スバルのアイデンティティでもあり、自社で開発してきた運転支援システム「アイサイト」にAIの判断能力を融合させる研究開発を行ってきました。

 なお渋谷にこのようなAI開発拠点を開設した経緯について、スバルは「近年の再開発によりIT企業集積地として進化し続ける渋谷にオフィスを構えることで、AI開発に必要な人財のスムーズかつ的確な採用や、IT関連企業との連携などを可能とし、これまで以上にスピード感のある開発を目指します」と説明しています。

 そして今回、デジタルでの開発領域を「アイサイト」だけでなく、クルマづくりの「ADAS」や「EV制御」、「制御統合ECU」といった領域。

 さらにはユーザーへの付加価値の向上を目的としたサービスのUXの加速、体験などのソフトウェア面でのサービス拡大など様々なデジタル開発の各地をこのSUBARU Lab新拠点で行っていくと言います。

 なおこれまでのUXの事例としては、従来の目的地に行くだけでなく道中の観光地なども巡る楽しみを提供するアプリ「SUBAROAD」や、それまで縦画面対応していなかった「Apple CarPlay」の横型対応などが挙げられます。

 そんなSUBARU Labですが、今回の拡張の狙いはクルマのハードウェアにおけるポテンシャルを最大限に引き出す他、多様化する時代に求められる価値提供につながるソフトウェア開発を強化すること。

 さらに、IT企業が集積する渋谷にオフィスを増設することにより、AI開発人財に加えてCASE領域でのソフトウェア開発人財に対する採用の拡大も見込んでいると言います。

 こうした最先端のデジタル開発と、スバルならではの独自技術を組み合わせることで新たなユーザーへの付加価値を作ることと、「スバルらしさ」を提供していくとしています。

スバルがデジタル開発で目指していく姿
スバルがデジタル開発で目指していく姿

 今回のSUBARU Lab新拠点は、フレキシブルオフィス「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」内に開設されました。

 この新拠点ではどのような開発を行っていくのでしょうか。スバルの執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)・柴田英司氏は、次のように語っています。

「私たちは『2030年死亡交通事故ゼロ』という目標を掲げ、挑戦を続けています。

 この目標を実現するためには、アイサイトにAIの判断能力を融合することが不可欠であると考え、2020年12月に『H1O 渋谷三丁目』内にSUBARU Labを設立しました。

 ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)領域では、自ら考え、自らの手で創造する「内製開発」にこだわっています。

 SUBARU LabではAIアルゴリズム、開発システム、AIを処理する半導体の開発も同時に進めていくためIT企業が集まる渋谷に拠点を構え、自動車業界以外からも積極的にエンジニアを採用しました。

 また2024年4月にはAMDとSoC設計に関する協業を開始し、商品化を目指しています。

 今回のSUBARU Labでは、研究だけでなく、先行検討・企画から、半導体につながる仕様の策定、量産開発というエンドユーザーに届けるまでのプロセスを一貫して手掛けるのがミッションです。

 この開発の形をSUBARU Labのメンバー全員で確立できたことが大きな経験であり、成果だと考えています。

 また自動車業界は大きな転換期を迎え、SDV(Software Defined Vehicle)というキーワードに象徴されるようにソフトウェアでクルマの価値を上げていく時代へ移行しています。

 アイサイトのような運転支援システムだけではなく、車両制御、インフォテインメント、サーバーシステムなど幅広い領域で、ソフトウェアの比重がより重くなっていくなかでSUBARU Lab変わっていかなくてはならないと思いました。

 そのためにアイサイトの開発をさらに強化していきながら、他の技術領域まで拡張したソフトウェア開発拠点を作る必要があると考えて、2拠点目のSUBARU Labを開設しました。

 新拠点では、スバルの既存拠点と連携して『運転支援システム』、『インフォテインメント/コネクティッド』、『電動制御系の開発』、『ITサービス連携』の4つの領域に注力する計画です」

スバルの執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)・柴田英司氏
スバルの執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)・柴田英司氏

※ ※ ※

 今回のWeWorkは、入居している他企業や団体とのマッチングサービスも展開していると言います。

 過去にはWeWorkに入居していた鉄道会社とドローン会社がマッチングした結果、鉄道の保線業務にドローンを活用するという成果も出ているようです。

 こうしたWeWorkならではのメリットを活かして、スバルは多様なスペシャリスト人財の採用や幅広いIT関連企業との協働や、協業も見据えた他企業とのコミュニケーションの活性化を図っていきたいとしています。

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