トヨタ「クラウン“クーペ”」!? 斬新「カクカク窓」採用の「2ドアハードトップ」実車公開! 激レアすぎる「45年モノの美麗モデル」とは
パシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された第16回「Nostalgic 2days(ノスタルジック2デイズ)」では、さまざまなクラシックカーが並びました。なかでも今回は、希少な6代目トヨタ「クラウン」2ドアハードトップの出展モデルにスポットライトを当てます。
45年前のクルマとは思えぬほどの「新車級」コンディションに驚く!
2025年2月22日と23日の2日間、パシフィコ横浜(横浜市西区)でクラシックカーイベント、第16回「Nostalgic 2days(ノスタルジック2デイズ)」が開催されました。
会場では、かつて当たり前のように存在したものの、現在では消えてしまったジャンルのクルマが見られるのも魅力ですが、1979年から1983年まで販売されたトヨタ「クラウン 2ドアハードトップ」は、まさにそんな1台といえます。

日産「スカイラインGT-R」、トヨタ初代「セリカ」など、日本を代表する旧車がたくさん持ち込まれるほか、発売当時から珍しかった車種や、現在ではなかなかお目にかかれない希少車などが展示され来場者を楽しませるノスタルジック2デイズ。
2025年開催のノスタルジック2デイズ2025でも、そんな希少車は大いに目を引いていました。
その中の1台が、1980年代から1990年代のトヨタ車パーツを製作販売する「アミスタッドカーズ」が展示したトヨタ6代目「クラウン」の2ドアハードトップでした。
「クラウンに2ドア!?」と驚く人が多いかもしれませんが、1967年登場の2代目から1979年登場の6代目までは、2ドアハードトップが存在。7代目が生まれた1983年まで販売されていました。
今でこそ2ドアといえば無条件で「スポーツカー」のイメージがつきますが、元来「カローラ」や日産「サニー」は2ドアセダンでスタートしており、セダンが4ドアで定着した1980年代以降でも、「AE86」として知られる5代目カローラおよび「スプリンター」の2ドア/3ドアクーペ「カローラ レビン/スプリンター トレノ」にも、SOHCエンジンを積んだおとなしい女性向け仕様などを設定。
パーソナル感を強調した「ボディバリエーションのひとつ」としてごく当たり前に認知されていました。
そのため上級車種の「マークII」「チェイサー」のほか、古くは日産でも3代目・4代目「セドリック」、4代目・5代目「グロリア」にも2ドアハードトップをラインナップしていたほどです。
展示されていた6代目クラウンの2ドアハードトップも、そんな時代の名残を感じさせる貴重な存在といえます。
6代目クラウンの特徴である四角いボディはそのままに2ドア化されたハードトップは、Cピラーに開けられた「オペラウィンドウ」を特徴とします。
後席の適度な閉塞感と視界、洒落たイメージを演出することができるため、1970年代のアメリカ製2ドアモデルで見られた装備でした。
1980年式だという展示車の外装は新車と見間違うほどで、車内は貴重なシートカバーまで残るほどの程度の良さです。
エンジンルームも抜群のコンディションでした。
鹿児島在住のオーナーに話を聞いてみたところ、数年前に憧れだったクラウン2ドアハードトップを見つけて購入。パーツをアミスタッドカーズで仕入れて整備しようとしたものの、近隣でこの年代のクラウンに明るい店があまりなかったそうです。
そこでアミスタッドカーズから旧車に強いことで知られる「GR Garage 富山新庄」(ネッツトヨタ富山)の紹介を受けレストアを依頼。
そして同社は2年もの時間をかけ、クラウンを美しい状態に仕上げたとのことで、完璧な状態なのも納得です。
発売されていた時代の空気感や時代感、世相を感じられる旧車は、未来に残すべき文化遺産。
希少となった6代目クラウン2ドアハードトップが、いつまでも元気でいることを望まずにはいられません。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
角角しかじか
ここまでされたならステアリングはノーマルにしてほしいところですね。
ナルディは別の車で!