物価が高いので「10万円以下の中古車」買っても大丈夫? あとで「後悔した…」とならない「納得のポイント」とは何か
物価高騰の中、「10万円以下の中古車」に注目が集まっていますが、買っても大丈夫なのでしょうか。リスクや買い方のポイントを解説します。
10万円以下でマイカー 実際どうなのか
ここのところ物価高が止まらず、悲鳴を上げていらっしゃる方も多いことでしょう。ガソリン価格も高くなり、クルマの維持も大変になってきました。
そんな時勢ですと、クルマの買い換えも悩みの種。しかし、中古車であればそのお悩みは解消するでしょう。
なかでも特に激安な10万円以下の中古車が多数流通しているのを見かけますが、買っても大丈夫なのでしょうか。リスクや買い方のポイントを解説します。

本記事執筆時点で、大手中古車情報サイトで車両本体価格10万円以下を検索すると、1500台ほどが流通していました。
そのうちの約95%という大部分が軽自動車となっています。新車車両価格が安い軽自動車ですから、この構成比は自然と言えるでしょう。
車両本体価格10万円以下の軽自動車を、走行距離別で流通台数を調べてみると以下のようになりました。
5万km以下 100台以下
5〜10万km 500台
10〜15万km 600台
15万km以上 200台
年式別では以下のような状況でした。
10年落ち未満(2015年/H27年以降) 20台以下
10〜15年落ち(2010年/H22年〜2014年/H26年)500台
15〜20年落ち(2005年/H17年〜2009年/H21年)700台
20年落ち以上(2000年/H12年以前)20台
車両本体価格10万円以下の軽自動車の相場は、走行距離5〜15万km、10〜20年落ちとなっています。
軽自動車を除く登録車(いわゆる普通車)では、100台ほどと少数になり、そのうちの圧倒的多数がコンパクトカー、次に目立ったのがミニバンという状況で、走行距離は10万km以下と10万km以上で半々の構成、年式は圧倒的多数が10年落ち以上となっていました。
レアではありますが、輸入車でも車両価格10万円以下のタマが10台ほど流通していましたが、しっかりとした覚悟をした上で購入しなければないと考えるべき中古車といえますので、ここでは詳細を割愛します。
こういった中古車市場概況で、10万円以下の中古車を購入するのは問題がないのでしょうか?
この点について、とある大手中古車ディーラーの店長クラスの方に、店名を明らかにしないことを条件(中古車販売業界にいる身として、利益率が極端に低い10万円以下の中古車の購入を後押しすることはしたくないとのこと)に、10万以下の中古車の買い方のポイントやリスクについて語っていただきました。
「10万円以下の中古車でも、まだまだしっかり乗れるクルマは探せばあります。選び方のポイントのひとつは、走行距離と年式の関係です。走行距離が少ないという理由だけで飛びつくのはリスクがあります。
クルマは機械なので、ある程度走行していないとオイルが切れてパーツが固着するなど劣化、故障の原因になります。特に野ざらしの駐車場で眠ったままのクルマは、目に見えない部分の劣化が進んでいると考えていいでしょう。
走行距離については、年式×5000〜1万kmのクルマがひとつの目安となります。もうひとつ重要なポイントは、メンテナンスノートを備えており、毎年きちんとディーラーの定期点検を受けていることです。メンテナンスノートがなかったり、あっても記載がなかったりすると、オイル交換を怠るなどメンテナンスされていないクルマの可能性があり、購入はおすすめできません。ただ、メンテナンスノートがしっかりしている10万円以下の中古車があるかどうはわかりません」
少し前までは「格安中古車を買おうとしたら、諸費用を上積みされて総額が高くなった」などという問題が少なからず発生していましたが、2023年10月からは中古車の販売価格は「支払総額」で表示するように自動車公正競争規約が改正され、現在は車両価格と支払総額が表示され、トラブルがほとんどなくなっています。
車両本体価格10万円以下の中古車の支払総額は、車両価格にプラス数万円から10万円ほどが相場となっています。
本記事の情報は、さまざまな事情で格安の中古車を購入する必要が出てきた場合の参考としていただければ幸いです。
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