ラッキー! トヨタ「ランクルプラド」盗難事件発生も「なんとか奪い返せました!」 輸出寸前で無事発見! 犯人も気づかない「画期的作戦」が成功 茨城県警が警戒を呼びかけ

茨城県警は公式SNSで、県内で起きたトヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難事件について、窃盗団から奪還できたと発表しました。一体何が起きたのでしょうか。

足取りゲット! 単純な対策で愛車発見

 茨城県警は2025年2月15日、公式SNSを更新。トヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難事件が発生し、これを“奪還”できたと発表しました。
 
 一体何が起きたのでしょうか。また、どうやって奪還したのでしょうか。

トヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難輸出を阻止!(画像:PIXTA/イメージです)
トヨタ「ランドクルーザープラド」の盗難輸出を阻止!(画像:PIXTA/イメージです)

 ピーク時から大幅に減少したとはいえ、未だに自動車盗は発生しています。最新の2024年(令和5年)の認知件数のデータでは5762件と、単純計算で1日あたり約16台が盗まれています。

 現在の自動車盗の傾向は、主に「海外輸出」が目的であり、盗まれるクルマも海外でニーズが高いモデルに集中しています。

 例えば、トヨタ「ランドクルーザー」シリーズや「アルファード」「ヴェルファイア」、レクサス「LX」などは中東地域で非常に人気があり、価値も高いため、各損害保険会社が発表している盗難車種ランキングではトップを独占しています。

 また、トヨタ「ハイエース」や「プリウス」なども、東南アジア地域で実用の道具として人気があり、これらもワーストランキングに入っています。

 さらに、映画やマンガなどを発端とする国産スポーツカー人気により、トヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」「シルビア」、マツダ「RX-7」、三菱「ランサーエボリューション」、スバル「インプレッサWRX」なども多数盗難されています。

 これら自動車盗は、発生場所も特徴があります。先週の通り輸出を目的としているので、窃盗団からすると足跡を極力残さず、いかに効率よい「動線」を作れるかが必要になってきます。

 そうすると海に近くて、コンテナに積めて素早く持っていくことができる場所を選ぶ傾向にあります。実際に、千葉県や茨城県、愛知県で盗難が多く発生しており、盗難車を保管しておくヤードも、これらの地域に集中しているケースが多いようです。

 SNSでもたびたびクルマの盗難情報が寄せられていますが、そのほとんどが残念ながら見つからぬままという状況です。

 これは窃盗団も常習的に犯行に及んでおり、綿密な計画から実行、輸出までの一連の動きは非常に素早く、一度輸出されてしまえばその後の追尾は不可能なためです。

 つまり、盗まれた場合はどれだけ早く愛車の「居場所」を突き止められるかが大切になってきます。

 さて、今回茨城県警が発表したのは、「ランドクルーザープラド」の盗難事例です。窃盗団は土浦市内に停まっていたランドクルーザープラドを盗みました。

 しかし、このランドクルーザープラドには「GPS装置」が仕込まれており、茨城県外の場所で発見。輸出寸前ギリギリのところで回収することができたのです。

 しかも、GPS装置は車内のその辺に置いていたのではなく、窃盗団に見つからないように、隠すように設置していたのがポイントです。もし目立つ位置に置いていたら、捨てられたり、別のクルマに付け替えて追尾を撹乱されてしまいます。

 また、盗難に素早く気づいてすぐに追跡を開始できたことや、GPS装置が単独で動作するものだったことも、早期発見できた理由です。

 なお茨城県警ではこのほか盗難防止策として、強固な装置で物理的にクルマを動かなくする「タイヤロック」「ステアリングロック」や、バッテリーを外されたりしても動く「独立型の警報装置」や、「電子制御システム」の追加などを提案。

 さらに、ドライブレコーダーも常時録画タイプにすることでも阻止できるとしています。

 公式SNSでは「みんなでやろう自動車盗難防止対策!GPS装置は処分されないよう、見つからない場所に置きましょう」と呼びかけています。

※ ※ ※

 昔の自動車盗は窓をかち割って車内に入り、イグニッションスイッチを破壊して無理やりエンジンをかけるといったラフなやり口でしたが、近年は「電脳犯罪」のように巧妙化しています。

 例えば、新車に装備される「スマートキー」の無線電波を悪用し、専用の電波増幅器を使って遠くにあるキーと車両を「中継(リレー)」し、あたかもキーが手元にあるように認識させてロックを解除する手口が横行しています。

 さらに、クルマに多数のセンサーやコンピューターが備わっていることから、バンパーやライトを無理やりこじ開け、パネル内部のパーツ接続用コネクターに「CANインベーダー」を割り込ませてハッキングし、ロック解除とエンジン始動を行う例もあります。

 こうした手口に対しては、結局のところ「物理的にクルマを出せないようにする」という方法が一番最適です。強固なロックだけでなく、クルマ自体にもカバーをかけて車種を隠すことも有効です。

 また、そもそも「盗む段階でリスクがありそうだな」と思わせる場所や設備があるところに停めるのも有効です。シャッター付きガレージや、防犯カメラやセンサーライトの設置、人目につく駐車場を選ぶなどです。

 出先で狙われる可能性もあるようで、一度目を付けられると、車体の見えない部分にGPSを取り付けて保管場所や行動範囲を特定する悪質な輩もいるため、そういった機器がないかも定期的にチェックするとよいでしょう。

【画像】「えっ…!」 これが「盗難されたランクル」です! (21枚)

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