経営統合の話より注目したい… 元サファリ? 日産が「パトロール」実車公開! 日本で売らないけど本社展示! 日産伝統を随所に継承&ランクル300超えな部分も! どんな特徴がある?

まだまだスゴいところは盛りだくさん! 

 【6.タイヤに空気を入れる電動エアポンプを純正設定】

 砂漠も走るクルマらしい装備といえるのが、タイヤに空気を入れるための電動エアポンプ。新型パトロールはそれが純正オプションとして用意されています。

 実は砂漠を走る際は、接地性を高めてスタックを防ぐためにタイヤの空気圧を落とします(150kPa程度まで下げるドライバーもいる)。

 しかし砂漠走行を終えた後は空気圧を元に戻す必要があり、その際はドライブイン的な施設などでお金を払って充填するのが一般的。

 しかしエアポンプを車載していれば、わざわざお金を払う必要もないし、空気を入れる施設がなくても空気圧を上げられるから便利というわけですね。

 ちなみに砂漠走行を楽しむSUVユーザーの中には車両購入後にアフターマーケット品を搭載する人もいますが、新型パトロールはそれを純正採用したのがポイントです。

 【7.日産SUVとしてははじめてのエアサスペンションを搭載】

 新型パトロールのサスペンションは、前後ダブルウィッシュボーンとした4輪独立式。

 組み合わせるショックアブソーバー&バネは3タイプあってベーシックなのは一般的なサスペンション、上級になると電子制御ダンパーが組み込まれ、さらに上となるとエアサスペンションにアップグレードされます。

 そしてエアサス装着車は上に5cm、下に7cmの車高調整も可能。オフロードでは車高を上げ、高速走行や乗降時は低くできるというわけです。

 何を隠そう、エアサスペンションを装着する日産車はかなりひさしぶり。前回採用していたのは、筆者の記憶をたどると1988年デビューの初代「シーマ」だった気がします。ということは30年以上ぶりかも。

 【8.ラダーフレーム車とは思えない乗り心地と人馬一体感のあるハンドリング】

 そんなエアサスペンションの効果もあってか、試乗車の乗り味はかなりインパクトのあるものでした。

 まず乗り心地がいい。ラダーフレーム車でオンロードを走ると、一般的に細かい突き上げが多めでそれが乗り心地を悪化あせます。しかし、試乗したパトロールではそれが極めて少ないのです。

 また、ラダーフレーム車にありがちな操縦性として、フレームとボディの間にゴムが挟まった感じというか、どうも地に足がつかないフワっとした感覚があります。

 しかし、新型パトロールはそこも常識外れ。ハンドル操作に対する反応遅れが少ないなど、ドライバーとクルマの一体感が高いのが印象的でした。

乗ってみたい!(どっちに? それは…)
乗ってみたい!(どっちに? それは…)

 【9.アクセルワークで振り回せる。砂漠でのコントロール性がいい】

 新開初のVR35DDTTエンジンはかつてのSUV用エンジンでは考えられないほどレスポンスが良く、すなわちアクセルワークで絶妙なトラクション具合を調整しやすいといえます。

 そしてドライバーの操作を忠実に受け入れるサスペンションや良好なハンドリングを作る4WDシステムとの相乗効果でもたらすのが、高いコントロール性。

 砂漠走行でもスッと曲がるうえに、旋回中にアクセルを踏んでいけばテールスライドが発生します。

 そこから先がポイントで、テールスライドを制御しやすいから、腕さえあれば自由自在にクルマを振り回せるのが好印象。

 砂漠での運転が楽しいオフローダーなのです。

 【10.オンロードにおける超高速域の安定性がズバ抜けている】

 何を隠そう、筆者が新型パトロールの試乗でもっとも驚いたのはオンロードでの走りでした(当然ながらオフロード走行のレベルも高いのですが)。

 どこが凄いかというと、それは超高速域のスタビリティです。

 日本の制限速度をはるかに超える速度で走っても安定性が高く、生粋のオフローダーの巡航性能だとは思えないほど。

 オフロード性能とオンロード性能のハイレベルな両立が素晴らしく、高速巡航マシンとしてのポテンシャルの高さは驚異的でした。この性能はランクル300に勝ると断言できます。

※ ※ ※

 そんな新型パトロールですが、残念ながら日本に導入される予定はありません。

 しかし、日産のブランドイメージ向上のためには日本での販売もぜひ検討するべきだと筆者は考えます。

 少量販売でもしっかりと利益を出せる価格設定としたうえで、日本で販売。

 そして日産ファンを作る存在となる。そんな流れを期待しないわけにはいきません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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2件のコメント

  1. なぜランクル300何でしょうかね?大きいという事、言いたかったのかな?それなら比べる相手が違うと思うけど。。。トヨタセコイアと比較したらど~ですか?米国でもセコイアのほうが売れてるようだし。あまりヨイッショ記事、みっともないと思うけど。

  2. 売らないと、売れないとは、全然違いますから。

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