なぜ多い? 煽り運転のきっかけ「通せんぼ走行」 高速追い越し車線で法定速度走行はNG?
最近、問題視されている「あおり運転」。このきっかけの一つと言われるのが、高速道路の追い越し車線を後続車が来ているにもかかわらず、譲らない「通せんぼ走行」という行為です。果たして、追い越し車線を法定速度で走り続ける行為は合法でしょうか?
追い越し車線を法定速度で走り続ける行為は合法?
最近、問題視されている「あおり運転」。このきっかけの一つと言われるのが、高速道路の追い越し車線を後続車が来ているにもかかわらず、譲らない「通せんぼ走行」という行為です。
人間は誰でも先を急ぎたいという気持ちがあるので、前方に自分のペースより遅い車両がいれば、抜かしたくなることでしょう。
片側2車線以上ある高速道路の場合、道路の構造も「走行車線」と「追い越し車線」と分けています。また、高速道路であっても法定速度は決まっています。法律的にそれ以上の速度を出してはなりません。
そこで、高速道路にあるパーキングエリア(PA)や、サービスエリア(SA)で休憩中のドライバーの方々に「追い越し車線を法定速度でずっと走行する運転について、どう思いますか?」と聞いてみました。
すると驚くことに意外な回答が多くありました。「法定速度を維持していれば追い越し車線を走ってもいいだろう。抜く方が速度違反だ。譲る必要は全く無い」というのです。
こういった考えの人が少なくなかったことに改めて驚きました。
果たして、法定速度以内で追い越し車線を走り続ける行為は合法でしょうか?
結論からいいますと、法定速度であっても追い越し車線を走り続けるのは明確な道交法違反(道路交通法 20条 1項)となります。
条文には、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」と明記されており、通行帯が2つある道路では左側が通行帯とされています。
このように、走行車線を走ることが義務づけられているので、追い越し車線に出られるのは文字通り、追い越し時のためだけです。
ですから、むやみに追い越し車線を走り続けると、法定通行帯外違反(通行帯違反とも言う)になってしまいます。