人気の軽ワゴン、スズキ新型「スペーシア」の実力は? 異なる2つのキャラの違いとは

ターボモデルは標準モデルより30kgも重たいのに軽快

 次に試乗したのは、新型「スペーシア・カスタム」の「HYBRID XSターボ」。軽自動車としては大径な15インチサイズのタイヤが装着されていますが、発進加速は滑らかで、ノンターボ車よりも力がある分、軽やかさが感じられます。

スズキの新型スペーシア・カスタム(左)(撮影:中野英幸)

 こちらは、1台目で試乗した標準モデルよりも車両重量は30kgも重たい仕様ですが、走行時の動きは、むしろ標準モデルよりもターボモデルの方が圧倒的に操縦安定性が高いレベルだと思いました。

 カーブの走行では遠心力で車体が傾きながらも、タイヤはしっかりと路面に接地している感触が得られて、ムリのない姿勢でカーブを立ち上がっていくことも確認できました。

 ターボ車にもパワーモードが設定されているので、スイッチをオンにしてアクセルを踏み込んでみると、エンジンは6500回転あたりまで引っ張りながら伸び伸びとした走りを披露。高速道路の走行フィールは滑らかで、目標の車速に達した後は、エンジン回転を低く抑えて静かに走れる状態になりました。この状態なら同乗者との会話を楽しみながら快適に移動することができます。

 従来型から大きく変貌を遂げた新型スペーシア。個人的には標準モデルのスペーシアのスタイリングが好みですが、試乗してみると、走りの面ではスペーシア・カスタムのターボエンジンの実力に圧倒されました。

 もちろん、いま新車を購入する上で欲しい自動ブレーキなどの予防安全装備をはじめ、広い車内の空気を循環させるスリムサーキュレーターを設けていたりと、安心・快適な機能を充実させているのも魅力的です。

 先代は地味に映っていたスペーシアも、新型は積極的に選びたいトピックが満載のモデルに進化したと思いました。

 しかし、スーパーハイトワゴンはいまや若年層からヤングファミリー、さらには年配層までと幅広いニーズを取り込む超激戦カテゴリー。今後は、標準モデルにもターボエンジンを設定するなど、多様化するユーザーのニーズに応える展開に、注目していきたいと思います。

【了】

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