ホンダの「超レトロ顔・斬新軽トラ」がスゴかった! 高性能“ターボエンジン”×5速MT搭載で「農道最強!?」 めちゃ楽しそうなスポーツ商用モデル「T880」コンセプトカーとは

ホンダアクセスが「東京オートサロン2017」に出展した「T880」は、軽トラックがベースのコンセプトモデルです。軽トラックの「カッコよさ」を追求したこのモデルは、どのようなクルマだったのでしょうか。

もはや「農道最強」! スポーツすぎる軽トラがあった

 2025年1月10日から開催される「東京オートサロン2025」。これまでも、さまざまなカスタムカーやコンセプトモデルがイベントを彩ってきました。
 
 なかでも2017年にホンダアクセスが出展した「T880」は、”軽トラ”としては異例の人気を集めています。

ホンダアクセスによる「T880」
ホンダアクセスによる「T880」

 T880は「働く車はカッコいい」をコンセプトに、軽トラックの「アクティトラック」をベースに製作されたコンセプトカーです。

 作ったのはホンダの純正用品などを開発しているホンダアクセス。同社の社員有志が、自発的にクルマを企画・製作するプロジェクト「N Lab.(Nラボ)」の一環として製作されました。

 その車名から、名車「ホンダT360」を連想するファンも多いのではないでしょうか。

 T360は1963年に発売。ホンダ初の市販4輪車にして、DOHC・4連キャブレターという、今の基準でも規格外に高性能なエンジンを持つ軽トラックでした。そのマニアックさとチャレンジ精神は、T880からも感じられます。

 T880は軽1BOX「バモス」用の660ccターボエンジンを搭載。660ccユニットをターボで過給すると、自然吸気エンジンで約880cc相当になることが車名の由来です。

 トランスミッションは軽オープンスポーツカー「ビート」用の5速MTに換装されています。パワートレインの強化にあわせて、ブレーキも4輪をディスク化。特にフロントキャリパーには対向4ピストン式を採用し、動力性能をバランスよくアップさせています。

 メカニズムと並んで注目なのがエクステリア。丸いヘッドライトがレトロでかわいい雰囲気ですが、オーバーフェンダーの装着で、全幅は両側で130mmワイドになっています。

 さらに屋根は、アメリカの旧車カスタムに見られるような「チョップドルーフ」化を実行。車体高を150mm低め、車高も17mmローダウンしています。ファニーなようで、クールでどこか”ワル”な独特の雰囲気が魅力的です。

 このデザインは「働く車はカッコいい」というコンセプトを実現するため、新型車のデザイン開発と同様に、1/4スケールクレイモデルを作って検討したそうです。

 遊び心が満載な一方、こうした本気のものづくりのプロセスを経たほか、荷台はノーマルのアクティと同じ容量をしっかりと確保。

 さらに両側面をスムージング加工し、後方部分の開閉機構をあおり開きと観音開きの2ウェイタイプに改めることで、スタイリッシュさと利便性を両立した、非常に完成度の高いカスタムが行われました。

 このほかホンダアクセスが開発に取り組んでいる、日常走行でも効果が感じられる「実効空力」の技術を活かし、車体底面はフラットサーフェス化。ボディにもフィンタイプの空力パーツを装着しています。

 レトロでスポーティな雰囲気で、軽トラのある「カッコいい」ライフスタイルを提案したT880。

 完成度は高く、ショーカーとしては異例にも、サーキットでのメディア向け試乗会なども行われました。

 そうしたことから登場に大きな期待が寄せられたものの、残念ながら市販化は実現せず、さらに2021年にホンダは軽トラックの製造・販売から撤退してしまいました。

 ホンダ4輪の原点でもある“軽トラ”。現在では「N-VAN」が軽商用車として支持されていますが、時代が変わった今、ふたたびT880のような楽しい軽商用モデルが発表されることを、多くのファンが期待しています。

※ ※ ※

 次回の「東京オートサロン2025」は、2025年1月10日から3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されます。

 ホンダやホンダアクセスのブースにも、注目が集まります。

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