暴走族は「高齢リッチ旧車」「若年スクーター」の2極化へ 小人数グループが主流に 江戸川区は「暴走族終了」宣言も

中高年は高額旧車、若者たちは125スクーターが主流に?

 かつて神奈川県最大級の暴走族の幹部をつとめていた50代男性が最近の暴走族について語ってくれました。

「暴走族も昭和の時代からずいぶん形が変わりました。

 旧車會など年齢層高めの高級旧車集団が主流と思われますが、相模原周辺では中学生高校生など10代の子たちも多いですよ。

 彼らは125スクーターがメインの集団ですね。最近のバイクは価格も高いですし、旧車も値段が高騰しています。

 必然的に購入しやすいスクーターに移行したのでしょう。

 当時は暴走族も走り屋も音は4気筒のほうが好まれてましたので、暴走族人気車種はCBX、XJがメインでした。

 今は到底、10代、20代では手が出ない価格になりました。

 盗難市場での人気も高いバイクです。シグナスなど125の盗難も頻繁にありますよ。

 昔は先輩から5万円で譲り受けたとかよくありましたけど、今はそんな金額では無理ですし、自分で大切にしますね」

クルマ好きのメッカとなる大黒PAでは取締りがおこなわれることも
クルマ好きのメッカとなる大黒PAでは取締りがおこなわれることも

 全国的にピーク時よりは減少している暴走族ですが、全国各地の警察や公安員会では暴走族に対する取り締まりが続いています。

 なお、暴走族には昔ながらのヤンキー系暴走族(警察用語では「共同危険型」)と、ルーレット族や環状族、峠族、ローリング族、ゼロヨンなどと呼ばれる走り屋系暴走族(同「違法競走型」)の2種類があります。

 首都高都心環状線(C1)を200km/h近いスピードで周回するルーレット族は一般車を巻き込む事故の危険性も高く警察では取締りを強化しています。

 最近では暴走族にカウントされなくても、公園や商業施設等の駐車場、高速道路のパーキングエリア等で改造車両が参加する大規模集会が管理者の許可なく行われることも多々あり、不正改造車や騒音に関する問題も深刻です。

※ ※ ※

 このような中、「暴走族終了」宣言をしている地域もあります。

 かつて暴走族問題が深刻だった東京都江戸川区の「葛西」地区です。

 江戸川区に約50年住んでいる弁護士で江戸川区議の金井たかし氏は以下のように話しました。

「確かに20-30年前は葛西地区の暴走族問題は深刻でした。

 しかし、『葛西地区暴走族対策連絡会』が創設され葛西地区における暴走族対策が効果を発揮し、現在葛西地区の暴走族問題が消滅したことは葛西警察署長からも報告されています。

 しかし、不動産情報サイトの中には江戸川区葛西地区にはいまだ暴走族問題があるという記載をしているサイトがあります。

 江戸川区という地方自治体に対する名誉毀損は問題にできず、違法は言い難いのですが。

 不動産関係のサイトで暴走族のことを問題視している運営者の方々には、江戸川区における暴走族問題は過去の問題であることを理解してもらいたいですね」

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 江戸川区に限らず都内を本拠地とする暴走族はほぼ消滅…と考えてもよいと思いますが、東京以外から渋谷などの繁華街に集まる輩はいまだに存在すると考えられています。

 警視庁では今年も2024年12月28日(土曜)から令和7年1月3日(金曜)までの間、一般道路では都内全域、高速道路では首都高全線、および中央自動車道及び圏央道の都内全域において暴走族の取り締まりを行うことを表明しています。

 とくに大晦日の12月31日(火曜)は、渋谷駅周辺等の都内繁華街において不正改造車両等の走行が懸念されることから取締りを強化するとしています。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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