登場2年半経過のホンダ「ステップワゴン」まもなくマイチェンか!? シンプル路線の評価はどう? ライバル車にはない“独自の魅力”とは?

2022年にフルモデルチェンジしたホンダ「ステップワゴン」には、ライバルにはない独自の魅力があります。どのようなところが評価されているのでしょうか。

発売から2年半が経過した「ステップワゴン」どんなモデル?

 ホンダのミドルサイズミニバン「ステップワゴン」は、現行モデルの6代目が2022年5月に発売されました。
 
 デビューから2年半が経過し、一部では2025年にマイナーチェンジするのではないかという噂も聞こえています。
 
 ライバルのミニバンにはない、ステップワゴンならではの魅力はどのようなものなのでしょうか。

原点回帰した「ステップワゴン」
原点回帰した「ステップワゴン」

 初代モデルは1996年に登場。第一次ミニバンブームが到来した当時、商用バンをベースにしたミニバンが主流のなか、ホンダは既存のコンポーネンツを上手に活用して誕生させたのが、FFミニバンのステップワゴンでした。

 その形状はボンネットを持たせつつもほぼ長方形の“箱型”ボディを採用。華美な装飾を排除し車内スペースを最大限確保した「使い方が自由な移動する空間」という割り切りが特徴で、その思い切った戦略がミニバン好き以外の人にも飛び火し、大ヒットモデルとなりました。

 快適装備が充実したライバルたちに対抗すべく、モデルチェンジのたびに装備を充実させていったステップワゴンですが、2005年に登場した3代目から苦戦が目立ちはじめます。

 多くのライバルが誕生したことも影響し、快適性や安全装備の充実、さらには「オラオラ系」とも呼ばれるコワモテ顔を採用した「スパーダ」路線への注力などもあり、本来の魅力だった「使い方が自由な移動する空間」という軸が薄れてしまいました。

 そこで6代目の現行モデルでは原点回帰を目指し、初代を彷彿させるシンプルなデザインのエクステリアを採用。

 時代のニーズ(環境性能)を満たすハイブリッドモデル「e:HEV」を軸に展開し、従来モデルから引き続きスパーダを設定したうえで、クリーンなデザインの「エアー」を追加しています。

 直近2024年11月のミニバン登録台数を見てみると、ミドルサイズのモデルでは、日産「セレナ」(6837台)、トヨタ「ノア」(5982台)、トヨタ「ヴォクシー」(5838台)に次いで、ステップワゴン(3792台)という成績です。

 この現行ステップワゴンのシンプル路線が時代のニーズと逆行していると捉えられ、思ったような人気を獲得できずにいる可能性も否定できません。

 実際にネット上でも「デザインがシンプルすぎる」や、全車3ナンバー化されたことによる「大きくなりすぎた」という評価が存在。もちろん、このシンプルさを好むユーザーも大勢いるのですが、ライバル車に比べて迫力不足に感じる人もいることでしょう。

 つまりは、最近人気となっているエアロなどをまとった派手なミニバンと比べた場合、ステップワゴンはシンプル&クリーンなイメージが強くなりすぎてしまったというのが、販売面にも影響しているようです。

 一方で、原点回帰したことで広々とした車内空間がさらに拡大され、シートを跳ね上げてバイクも積むという「トランスポーター」として活用されているケースも見受けられます。

 また、ステップワゴンの魅力のひとつに走りの良さが挙げられます。

 低重心をウリとするホンダ車ならではの安定感で「強風にあおられても安定している」「コーナーでもよれる感じがしない」など操縦安定性は高評価を得ているのです。

 ひとつ残念なのは、5代目に装備されていた独自のバックドア「わくわくゲート」が現行モデルで廃止されてしまったこと。

 わくわくゲートとは、横開き式のサブドアを設け、大きなバックドアを開けるスペースがなくてもラゲッジから荷物が取り出せると高評価だった装備。

 5代目ステップワゴンのオーナーからは「とても便利」「よく使っている」といった声も聞かれたのですが、6代目に装着されなかったことから、現行モデルへの買い替えを見送ったという人もいたようです。

 現行モデルにも、標準装備とはいかずともオプションなどに設定があったならば、そのような買い替え需要も進んだ可能性はあるでしょう。

※ ※ ※

 初代を知る世代からすれば、現行ステップワゴンのシンプル路線は高評価なのでしょうが、分かりやすい豪華さも必要なのかもしれません。

 あくまでも筆者(金田ケイスケ)の予想ですが、マイナーチェンジでは多少は派手なエクステリアに刷新されるような予感がします。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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