ヤリスクロスサイズの「小型SUV」登場! 世界のベンチマークを超えた「new T-Cross」 何が凄いのか

実際にTクロスに乗ってみると? 印象は?

 実際に走らせると過給は始まる2000rpm前後までの線の細さは変わないものの(48V MHEVが欲しい)、従来モデルよりも振動/ノイズは抑えられているのと、発進時や微速コントロールのDSG制御のプラッシュアップにより、常用域のドライバビリティは高められています。

 ただその一方、全域でパンチが薄れたのと、DSGならではの小気味良さが抑えてしまった印象を受けました。

 関係者に聞くと「最新の排ガス規制対応の影響は少なからずある」と。気になる燃費は簡易計測で都高速を普通に走ってカタログ燃費(17.0km/L)を超える20km/L前後を記録。ただし、プレミアムガソリン指定なのをお忘れなく。

 フットワークは公式なアナウンスはありませんが、全体的に“まろやか”になった印象です。

実際に走らせると?
実際に走らせると?

 乗り心地も従来モデルで感じた常用域でヒョコヒョコ揺すられる動きは抑えられ、高速道路でのフラット感の高い落ち着きの良さはクラスレス。

 ハンドリングは決して機敏ではありませんが、素直な操舵特性と挙動の解りやすさ、骨太なシッカリ感などは、同じプラットフォーム(MQB A0)を使うポロよりも優れている感じたくらい。

 個人的には従来モデルの18インチは見た目重視だと思っていましたが、新型は総合的に見てそれをシッカリと履きこなせるシャシーに熟成されたと判断していいでしょう。

 ちなみに高速道路では同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」を使ってみましたが、白線認識や前車両捕捉の精度は他社のそれと比べると今一つ。

 この辺りは別の日に乗った6代目となる新型パサートでは全く気にならなかった部分なので、更なるアップデートを期待します。

2020年から3年連続で輸入SUV登録台数ナンバー1に輝くTクロス
2020年から3年連続で輸入SUV登録台数ナンバー1に輝くTクロス

 更に驚きなのは価格設定です。ベーシックな「ACTIVE」と中間の「Style」は装備を拡充しながらも微増に留め、上級のRラインは何と10.3万円の値下げ。

 もちろん同クラスの国産コンパクトクロスオーバーと比べると高めなのは事実ですが、その差を抑えようとしている努力は評価すべきでしょう。

※ ※ ※

 そろそろ結論にいきます。

 新型Tクロスは大幅改良レベルですが、VWの強みでもあり魅力であった「大衆ブランド+α」を再び取り戻した一台に仕上がっています。

 惜しむべきは登場時から指摘しているAWDモデルが本国仕様も含めて未だに設定がない事くらいです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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